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春・夏・秋・冬

 「国家基本問題研究所」なる民間シンクタンクがこのほど、米国による朝鮮の「テロ支援国家」指定解除に関する「提言」を発表した。拉致問題の解決なしに「テロ支援国家」指定を解除すべきではなく、米議会が指定解除に厳格な条件を課す法案を採択すること、日本政府と国会が指定解除は米国に対する信頼を損ねることを伝え、解除反対の意思を明確に伝えること―がその内容だ

▼「木を見て森を見ず」とはこのようなことを言うのだろう。朝鮮半島の核問題のための6者会談は、北東アジアひいては世界の安定と平和につながるということはすべての参加国が確認している。にもかかわらず、拉致問題に固執して「米日関係を損ねる」などと主張するところに、日本の戦略のなさが伺える

▼米国政府が、「指定解除と拉致問題は関連付けられていない」(ケーシー国務省副報道官)との立場をたびたび表明しているにもかかわらず、日本がこの問題にとらわれ続ければ、逆に米国の日本に対する「信頼」が損なわれるということには気づかないのだろうか

▼日本では朝鮮=「悪」というイメージが意図的に作り上げられてきた。しかし、朝鮮と、日本を除く6者会談参加国との関係は良好だ。南朝鮮大統領選挙で保守党候補が当選し、北南の前途を危ぶむ情報ばかりが喧伝されているが、交流はまったく途絶えていない

▼朝鮮は共同社説で、今年を「歴史的転換の年」と位置づけた。日本も自らの国益のために「歴史的転換」を果たしてはどうか。それができなければ、残るのは孤立だけだ。(国)

[朝鮮新報 2008.1.23]