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大分国体 全国3位 有終の美飾る、北海道朝高ウエイトリフティング部 徐文平選手

 北海道朝鮮初中高級学校ウエイトリフティング部の徐文平選手(高3)が大分県国東市のアストくにさきアグリホールで6日に行われた第63回国民体育大会(国体)の少年男子105キロ超級でトータル259キロを挙げ3位となった。朝高生として初めてインターハイを制する(1999年大会の朴徳貴選手)など、数々の栄誉で在日同胞に勇気と力を与えてきた同部も徐選手の卒業とともに廃部となる。さまざまな想いを胸に「最後の部員」、徐選手は渾身の力を振り絞って全国大会に臨んだ。

結果で変わる、実感した6年間

徐文平選手(中央)とオモニら

 徐選手は、スナッチ3回目に際して110キロを申請していた。しかし、徐選手よりも体重が軽く同重量を申請し挑んだライバル選手が3回目で108キロにとどまり、徐選手は109キロに落として確実にクリア、1キロ差で競り勝ち3位獲得を果たした。

 クリーン&ジャークでも徐選手は同ライバル選手と争った。1、2回目で142、147キロを挙げた徐選手に対し、ライバル選手は3回目で149キロを挙げる。ここで徐選手陣営は149キロを150キロに変更。金太壌コーチ(32、少年男子北海道代表コーチ)は徐選手の太ももをバシっとたたき、いつにない気合を注入した。

 最近の練習では、145キロまでしか触っていなかったため自信がなかったという徐選手だが、金コーチをはじめ北海道チームの大きな声援に応え、練習でも一度しか成功したことのない150キロを落ち着いて成功させた。ここでも1キロ多く挙げ3位となった。

 全国大会で初めて、6回すべて失敗しなかった。北海道協会関係者は「少年男子で文平選手の成績が一番良く、北海道チームのポイントを稼いでくれた。文平選手のような試合をしなくてはいけない」と高く評価した。

 トータル259キロ、堂々の3位という結果に、仕事を調節し練習を見てきた金コーチも「部の最後をしっかりと締めくくった」と胸をなでおろし、「一人でよくがんばった」と称えた。

 「ウエイトリフティング部最後の大会を3位で締めくくれた。これで全部がおわった」。肩の荷が下りたという徐選手にとって、部で学んだことは数え切れないそうだ。

 「練習をやった分だけ結果に出る。結果を出すと、周りも自分も変わることができる。中級部からの実りある6年間を過ごせたのは、金尋監督、金太壌コーチ、金有燮先生のおかげ。技術だけでなく人間としての生き方も学んだ。感謝してもしきれない」

 柔和な性格の徐選手。クリーン&ジャークで150キロを挙げた時には、感情を外に出し雄叫びを上げた。その雄叫びは、北海道朝高ウエイトリフティング部「最後の部員」として、「全国」の檜舞台で堂々と闘うため努力を惜しまず練習し得た自信の表れでもある。「大事なもの」をつかんだ達成感から湧き出た喜びの雄叫びだったかもしれない。

ラグビー、サッカーにも朝高選手が出場

 一方、国体のラグビー競技に東京朝鮮中高級学校の兪光樹選手(高3)、サッカー競技に東京朝鮮中高級学校の李鍾太選手(高2)がそれぞれ東京都代表として出場した。(李東浩記者)

[朝鮮新報 2008.10.22]