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第30回在日朝鮮初級学校学生中央サッカー大会 猛暑の中で熱戦

 第30回在日朝鮮初級学校学生中央サッカー大会が7〜9日まで兵庫県立淡路佐野運動公園で行われた。北海道から九州にいたる各初級学校57チームの選手らは、この1年間に磨いてきた技術をいかんなく発揮し、熱戦を繰り広げた。11人制1部では生野が、8人制1部では、大阪福島がそれぞれ優勝した。

2年ぶりの優勝を喜ぶ生野初級(11人制)

 一昨年に優勝し、昨年は準優勝だった生野。選手らは去年の雪辱を晴らすべく強い気持ちで大会に臨んだ。

 初日の予選リーグでは、東京第2を2−0で、長野・静岡合同チームを6−0で下し、1部に駒を進めた。2日目の3組に分かれて行われた順位別リーグでも連戦連勝を目指したが、埼玉に1−2で惜敗。1勝1敗の成績で2日目を終えた。埼玉との試合終了後、選手らは涙を流して悔しがった。「選手みんなが、1年間両親と一緒に汗を流してがんばってきたものが全部終わったものと思っていた。子どもたちには『勝って当然』というプレッシャーもあったろうし、負傷した体で大会に臨んだ子どもたちも多い」ど尚志主将(初6)のオモニ、文克美さんは振り返った。

 しかし、最終日の決勝トーナメントには各組1位とともに、3組の2位のチーム中もっとも優秀な成績を収めたチームが上がれることから、生野は決勝トーナメントに進出。準決勝で埼玉と再戦することになった。大会前の試合で腕を骨折し、ギブスをつけたまま今大会に出場しだ尚志主将は、「2日目の試合で負けたのが一つのきっかけになった。一度負けた相手に2度は負けまいと、気持ちで勝とうと選手たちが一丸となった」と語った。

 準決勝で生野は、埼玉を4−1で下し、決勝戦に進んだ。

埼玉、京都第1、北九州が応援賞に輝いた(写真は京都第1の応援団)

 決勝戦の相手は東京第1。初日の予選リーグで伊丹を11−0、岡山・四国合同チームを6−0で下し、順位別リーグでも東大阪と京都第1をそれぞれ1−0で、準決勝では東京第9を1−0で押さえ、無失点で決勝まで上がってきた強豪だ。

 決勝戦では、開始から一進一退の攻防が繰り広げられたが前半の中ごろ、生野の高淳徹選手(初6)が先制し均衡を破った。生野はここから試合の主導権を握り、後半にも高淳徹選手がゴールを決め2−0で勝利した。

 高淳徹選手は試合後、「決勝点を決めることができてうれしい。2点目を入れた時に勝利を確信した」と淡々と語った。高淳徹選手は、今大会で最優秀選手に選ばれた。

 ゙尚志主将のアボジ、゙徳寿さんは「父母と子どもたちの気持ちが一つになった結果。30回という節目の大会で、しかも東西対決を制しての優勝なのでとてもうれしい」と感慨深げに語った。

 一方、8人制では大阪福島が四日市を5−0で下し、見事2連覇を果たした。金勝三監督は、「5年生と6年生をあわせて9人しかいないという不利な面はあったが、生徒たちには2連覇を目標にがんばろうと言い聞かせてきた。普段の練習では基礎を重視し、生徒たちが強い気持ちを持つよう心がけてきた」と述べながら、「飛びぬけた選手はいないが、チームワークで勝ち取った優勝。がんばってくれた生徒たちに感謝の気持ちでいっぱいだ」と声を震わせた。

父母も応援合戦

3日間で150試合の熱戦が繰り広げられた(写真は大阪第4×西神戸)

 今回の大会でも、生徒たちはもちろん各地から駆けつけた父母や関係者らが応援合戦を繰り広げた。学校ごとにTシャツをそろえている父母たちもいれば、大きな横断幕を掲げ、声をからせて応援する父母ら、果ては子どもの顔をプリントしたうちわを振りながら応援に熱を上げるオモニたちの姿もあった。

 また、11人制1部の準決勝で東京第1に敗れた東京第9の父母、関係者らが、決勝戦で東京第1の父母らとともに生徒たちを応援するなど、地域ごとで勝ち進んだチームを応援する人たちの姿も目立った。

 一方、女子選手たちの数も増えており、在日本朝鮮人蹴球協会の金光浩副会長は、朝鮮の女子サッカーが国際的にも高いレベルにあることから、ゆくゆくは男子選手のように在日の女子選手が国家代表に選ばれるような道筋を作っていけるよう努力したいと指摘した。(文・李松鶴記者、写真・盧琴順記者)

【競技成績】

 11人制1部 @生野A東京第1B東京第9
 8人制1部 @大阪福島A四日市B北九州

 ※結果の詳細は、サッカー協会のホームページ(http://www.ksaj.gr.jp/)で見ることができます。

〈第30回コマチュック〉 よもやま話

[朝鮮新報 2008.8.20]