〈北京五輪開幕直前A〉 朝鮮選手の意気込み 実力、最大限に発揮 |
レスリング 「新たな全盛期」へ
チャ・グァンス選手(グレコローマン)、ヤン・チュンソン、ヤン・キョンイル(以上フリースタイル)選手の3人が出場する。 選手らの目標は、1980年代に世界の舞台で活躍した先輩選手たちだという。ヤン・チュンソン選手は「当時の先輩たちは、強い闘志と忍耐力を持っていた。彼らを目標に努力した」と話す。 朝鮮のレスリング選手たちは、これまで多くの国際競技で優秀な成果を収めてきた。とくに83、85、86、87、89年の世界レスリング選手権大会で優勝。90年代にも活躍は続いた。92年のバルセロナ五輪で金2個、96年のアトランタ五輪で金1個を獲得した。 しかし、アトランタ以降は成績が振るわなかった。90年代後半からの「停滞期」を脱するために朝鮮のレスリング界は近年、一連の対策を講じた。 チャ・グァンス選手は、08年アジアレスリング選手権大会で2位を獲得し五輪出場資格を得た。以前にもアジア選手権で2位になった実績を持つ。 ヤン・チュンソン選手は、今年5月ポーランドで行われた五輪出場をかけた大会で1位になった。昨年の第4回世界軍隊総合スポーツ競技大会で2位。今年のアジア・レスリング選手権大会では1位に輝いている。 新人のヤン・キョンイル選手もポーランドでの五輪出場資格を争う競技で1位になった。 3選手は、「朝鮮レスリングの新たな全盛期はわれわれが開拓していかなければならない」と話している。 射撃 ミュンヘン以来の金を
朝鮮が五輪の射撃競技に参加するのは今回で8度目。今大会には男女合わせて6人の選手が出場する。 朝鮮はこれまでミュンヘン五輪で金メダル、アテネ五輪で銅メダルを獲得している。 今回とくに注目を集めているのは、キム・ジョンス(男子)、パク・チョンラン(女子)の両選手。これまで多くの国際競技で優秀な成果を収めてきた実績を持つ。 キム選手は、06年の第14回アジア競技大会(釜山)25メートルラピッドファイアピストル、04年の第10回アジア射撃選手権大会(マレーシア)と05年の第4回東アジア競技大会10メートルエアピストル個人戦で1位を獲得した。 アジア選手権を3度制したキム選手は、06年の第49回世界射撃選手権大会(クロアチア)25メートルピストルで個人2位、アテネ五輪10メートルエアピストル個人で3位になるなど世界大会でも上位に入っている。 パク選手もスキート種目に出場した89年(シンガポール)と91年(日本)のアジアクレー射撃選手権大会、90年の第11回アジア競技大会(中国)、07年の第11回アジア射撃選手権大会(クウェート)、91年の世界クレー射撃選手権大会(オーストラリア)で優勝した。 キム選手は「アテネ五輪の銅メダルには満足していない。金メダルを獲れなかった悔しさを忘れず、さらに高い目標に向かって自分を磨いてきた。北京では必ず期待に応えたい」と決意を語った。 マラソン コンディションは良好
男子はパク・ソンチョル、キム・イルナム、リ・クムソン選手、女子はキム・クムオク、チョ・プンヒ、チョン・ヨンオク選手が出場する。 朝鮮陸上競技協会の「光幸副会長(在日朝鮮人体育連合会副会長)によると、選手たちの勝利に対する熱意は非常に強いという。 6月に約1カ月間、両江道三池淵郡で合宿を行った。 「選手たちは合宿で蓄積した疲労をゆっくり回復させながら大会に臨む。コンディションはとても良好だ。全員表情が明るい。とくに女子選手たちが明るかった。必ずメダルをとるという気迫にあふれている」(「副会長) 1999年の世界陸上女子マラソンで優勝した朝鮮陸上競技協会のチョン・ソンオク書記長注目の選手が、キム・クムオク選手だ。 キム選手は現在22歳。競技経験は多くはないが、昨年4月の「万景台賞」マラソンで五輪出場資格を獲得した。 チョ・プンヒ、チョン・ヨンオク選手たちは04年のアテネ五輪出場経験がある。目標はメダル獲得だ。 オリンピックマラソン種目の各国の参加資格は最大で男女各3人の計6人だ。今回は男子も出場枠を目いっぱい使い3人が出場する。男子選手たちは「自己最高記録を更新したい」と話している。 女子体操 自分を信じて大胆に
女子体操種目別に出場するホン・ウンジョン(跳馬)、チャ・ヨンファ(段違い平行棒)選手は、北京五輪に向けた準備を着実に行ってきた。 動作が柔軟で身体能力が高いと定評のあるホン選手は第3回アジア体操選手権大会(06年、インド)跳馬種目で1位を獲得。第15回アジア競技大会(06年)では跳馬種目で3位の成績を収めている。 パク・ヨンスク監督は、「ホン選手は練習熱心で監督の指導にも誠実に応えている」と話す。 ホン選手は、初めてのオリンピックでメダル獲得に意欲を燃やしている。 「世界の強豪と堂々と争いたい。自分の力を信じて大胆に挑戦して必ずよい結果を持ち帰りたい」と意気込みを語った。 シンクロ 堂々と演技したい シンクロは、2000年のシドニー以来2度目の五輪出場だ。
デュエットに出場するワン・オクキョン、キム・ヨンミ選手は、今年4月の資格競技大会で五輪出場資格を得た。関係者は今回、北京五輪で朝鮮シンクロ発展のきっかけとなる大きな成果を達成したいと語る。 五輪初参加のワン選手は「世界の強豪が集う舞台で堂々と演技したい」と意気込む。 リュ・ジョンエ監督によると、選手たちは独特なスタイルの動作と、民族的なメロディーにマッチする難易度の高いプログラムで大会に挑む。 朝鮮シンクロ協会のアン・ソダン書記長は選手たちがメンタル面で強く、テクニックも高いレベルにあるので自信を持っていると話す。 アン書記長は「選手たちが情熱を尽くして努力すれば、必ず成果をおさめられる」と期待している。 飛び込み 上位入賞をめざす 「目標は上位入賞」。朝鮮水泳協会飛び込み技術委員会のロ・スンチョル委員長は話す。 朝鮮はこの種目で、バルセロナ以来、5大会連続出場している。 キム・チョンマン(男子)、チェ・クムヒ、キム・チンオク、キム・ウンヒャン(以上女子)の4選手は、10メートル高飛び込み個人(男女)、10メートルシンクロ高飛び込み(女子)に出場する。10メートル高飛び込みシンクロ出場は今回が初めてだ。 五輪初出場の4選手。キム・チョンマン選手は「大会で実力を最大限に発揮して、飛び込み種目で朝鮮にメダルをもたらしたい」と決意を語った。 柔道 ケ選手の「金」に期待 男子キム・チョルス、キム・キョンジン、パク・チョルミン選手、女子はケ・スニ、アン・クムエ、ウォン・オクイム、パク・オクソン選手の7人が出場する。 ケ選手は今回が4度目の五輪だ。アトランタ(96年)で金、シドニー(00年)で銅、アテネ(04年)で銀を獲得した。 北京での2度目の金メダル獲得に期待が高まっている。(おわり) [朝鮮新報 2008.8.6] |