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プロボクシング日本フライ級暫定王座決定戦、金智哉選手 僅差判定負け

 プロボクシング日本フライ級暫定王座決定10回戦が2日、東京・後楽園ホールで行われ、東北朝鮮初中高級学校出身のプロボクサーで同級2位の金智哉選手(ワタナベジム)が同級3位の五十嵐俊幸選手(帝拳ジム)と対戦。前に打って出る積極的なボクシングを展開した金選手だったが僅差の判定(2−1)で敗れた。

終始、積極的に打って出た金智哉選手(写真右)

 2006年12月に全日本フライ級新人王に輝いた金選手は、今年4月、日本フライ級次期挑戦者決定戦に勝利した。この日、対戦した五十嵐選手は、元アテネオリンピック代表でプロになって無敗の強豪。

 試合では、積極的に前に打って出る金選手に対し、五十嵐選手が軽快なフットワークで有効打を積み重ねた。

 金選手は、強烈なボディへのパンチで相手の足を止め、得意な距離へと持ち込んでいった。2Rに右目上をカットし流血で視界を遮られながらも、同級生らの大声援を背に、中盤に入り盛り返した。終盤は打ち合いとなり、両者一歩も引かないシーソーバトルとなった。

 試合は10Rを戦って決着がつかず判定にもつれ込んだ。

 会場中が固唾を呑んで判定結果を待った。ポイントは96−95、97−95、95−96の僅差。レフェリーは五十嵐選手の腕を高らかに挙げた。

 がっくりと肩を落とした金選手だったが、会場からは大きな拍手が送られた。

 試合後、金選手は「勝たないと何も意味がない。相手の方が技術的に上だった」と語り目にはうっすらと涙を浮かべた。しかし、試合中何度も大声援を受け、力をもらったという金選手は「もっともっと練習を積んでチャンピオンになりたい」と新たな決意を語った。(泰)

[朝鮮新報 2008.8.4]