W杯アジア最終予選進出を決めて 安英学、鄭大世選手に聞く |
試合重ねるごとにレベルアップ 【平壌発=鄭茂憲記者】サッカーの朝鮮男子代表がFIFA2010年W杯南アフリカ大会アジア地区最終予選進出を決めた。22日に南朝鮮と行う3次予選最終戦を残し、現時点で3勝2分(勝ち点11、得点4、失点0)、グループCでの2位以内が確定した。16日、朝鮮代表の在日同胞プロサッカー選手、安英学(29、水原三星ブルーウィングス)、鄭大世(24、川崎フロンターレ)の2選手に南朝鮮戦などへの意気込みを語ってもらった。 −最終予選進出を決めた今の気持ちは。 安 最低限クリアしなければならない目標だったので、ほっとしている。 鄭 日本と戦いたいという気持ちを強く持っていた。まだ組み合わせはわからないが、次のステップに臨む心構えをしているところだ。 −3次予選の5戦を振り返ってどうだったか。
安 2月から3次予選が始まったが、当時は召集されたばかりで、チーム力も高くなかった。試合を重ねる過程で、徐々に組織力が発揮できるようになった。試合を通してレベルアップしていったと感じている。各試合では、守備を重視した。結果が伴っていたので、試合をするごとに選手たちは自信を深めていったと思う。 鄭 自分自身、試合を重ねるごとに朝鮮の選手とのコミュニケーションが深まっていった。しっかりとした守備からカウンターで得点し、結果を出すこともできた。守備陣は、見ていても頼もしかった。5戦を振り返って、3戦目、アウェーでのトルクメニスタン戦が一番苦しかった。実力的に見れば、勝たなければならない相手なのに、どうしても得点できなかった。決定力不足は今後の課題だ。 −ホームでの2試合(第4戦対トルクメニスタン、第5戦対ヨルダン)では、2選手に対するスタンドからの応援がすごかった。 鄭 試合中はヤジも含めて、あまり耳に入らないタイプなので、気づかなかった。試合後にその話を聞いたときはうれしかった。 安 最初は、朝高の生徒たちだなと思った。日本で生まれ育った自分たちを、平壌市民らが名前を呼んで応援してくれたことに、とてもありがたく感じている。 −最終予選に向けた決意を聞きたい。
安 戦う相手のレベルは一段と高くなる。だからこそ、すべての面でいっそうのレベルアップが求められる。自分自身も、サポートやプレスをよりスピーディーに行う必要を感じている。 鄭 攻撃で足りない部分は突き詰めて、より質の高いサッカーを展開したい。勝利という結果を積み重ねていくためにも、チーム全体の向上心をもっと高めていきたい。 安 05年の最終予選のときのような、同胞たちの応援を期待したい。前大会では結果が伴わなくて悔しかったが、必ずW杯に出場するという、強い気持ちを持って臨むつもりだ。 −その前に22日に北南戦がある。 鄭 北と南の一戦は常に重要な試合だと感じている。南に比べて、北のサッカー環境は整っているとは言えない。でも、だからこそ、気持ちを強くもってプレーしたい。 安 双方、最終予選進出が決まったが、親善試合のようにはならないと思う。北のサッカー、力を思う存分発揮して、いい試合を見せたい。 [朝鮮新報 2008.6.18] |