朝鮮ソフトボール 最高球速100km超えの投手養成中 |
牡丹峰体育団の取り組み 【平壌発=文−姜イルク、写真−盧琴順記者】牡丹峰体育団の女子ソフトボールチームは、朝鮮国内では最強のチームとして知られている。朝鮮には軽工業省体育団や南浦、平安北道などのソフトボールチームがあるが、牡丹峰体育団は「万景台賞」など国内大会で常にトップに君臨してきた。国家代表チームのメンバーも80〜90%が同チームの選手で占められている。しかし、朝鮮国内においてソフトボールは、サッカー、柔道、マラソンなど活躍の目立つ他の女子スポーツに比べ影が薄いのも事実。同チームは昨年の世代交替を契機に、世界水準のピッチャーの養成に力を入れている。 投手陣のレベルアップ
国際大会での朝鮮女子ソフトボールチームの最高成績は、1999年の第7回アジア選手権(中国・上海)での3位だ。2002年の第14回アジア競技大会(釜山)と2006年の第15回アジア競技大会(カタール)ではそれぞれ4位と、アジア地域ではそれなりの成績を収めてきた。2006年の世界選手権(北京)では12位にとどまった。 課題はピッチャーだ。世界最強と言われる米国やオーストラリア、日本チームの投手が投げる球は最高球速100キロを超す。120キロを記録する投手もいるという。 パク・ヨンボク監督(57)によると、世界水準といわれる球速100キロレベルの球を投げられるピッチャーはこれまでチームにいなかった。守備力が一定の水準に達していても、投手陣の弱さが敗因のひとつとなった。また、チームに世界水準の投手がいないことでバッティングの練習も高いレベルで行えなかった。 チームが世代交替したのは昨年10月。平均年齢は23歳だ。投手陣のレベルアップこそがチーム強化の要だ。選手たちは、昨年12月から基礎体力の強化に励み、同時に球速アップのための集中トレーニングを行ってきた。
その成果が最近はっきりとあらわれ、明るいきざしが見えている。 チーム内には5人の投手がいる。注目されているのは、エースのキム・ウンシム選手(26)だ。それまで最高球速94キロだったが、今では100キロを超える。キム・ウンヒャン選手(22)も最近100キロをマークした。速球投手の誕生は、同チームが1997年に結成されて以来初めてのことだ。 リ・ユンヒ(22)、ユン・ポンミ(19)、キム・グァンミ(18)選手らも急成長しているという。 チャン・グムソク投手コーチ(37)は、「100キロ超えははるか遠い目標だと思っていた。投手はもちろん他の選手らも相当な自信を持ち始めた」と話す。今後の課題については、投手全員の100キロ超えとコントロールをよくすることだという。 キム・ウンシム選手は、「練習はつらいが、国際大会で成績が振るわなかったときのほうがもっとつらい。国際大会で好成績を残して堂々と帰国したい」と語る。 一方、昨年、将来の活躍が見込めそうな16歳以下の中学生を集めトップチーム傘下に「養成組」と呼ばれるサテライトチームを作った。 現在、選手らは2010年のアジア選手権参加を目標に練習に励んでいる。 パク・ヨンボク監督は、「今は飛躍のための準備段階。2年の間に全般的なレベルアップをはかり、朝鮮のソフトボールを強化したい」と語った。 [朝鮮新報 2008.6.13] |