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在日本朝鮮人愛知県籠球協会設立 新たなスタート切る

 愛知県を中心とした近隣地域でのバスケットボールの普及、発展と技術向上に努め、朝・日間の友好と交流を目的とする在日本朝鮮人愛知県籠球協会が結成された。地方協会としては7番目の設立となる。設立総会と設立記念パーティーが10日、名古屋市のキャッスルプラザで行われ、在日本朝鮮人体育連合会の李清敬理事長、総連愛知県本部の河貞鳳委員長、在日本朝鮮人籠球協会の康勲会長、康徹洙理事長、在日本朝鮮人愛知県体育協会の朴秀成会長、張俊男理事長と朝・日関係者ら100余人が参加した。

強化委員会の活動が実を結ぶ

設立記念パーティーであいさつする金孟洙新会長

 設立総会では、まず河貞鳳委員長と康勲会長が祝辞を述べた。河委員長は、愛好家をまとめ、日本のチームとも交流、連携し発展させてもらいたいと激励した。康会長は、協会の結成は全国の愛好家にとっても喜ばしいことであると強調。愛知中高・高級部バスケットボール部出身者らのプライドと功労者の献身、同胞の支援の賜ものであると述べながら、初代会長を中心に発展することを願うと語った。

 続いて愛知県協会の金孟洙新会長(45)が協会結成準備委員会の報告を行った。金会長は、協会の結成は同胞青年と学生、愛知朝高のOB、OG、県下朝鮮学校の父母会など、各界各層の同胞らに希望と力を与え、生徒らの民族心を育成し技術を向上させるとともに、朝・日間の親善と交流の一助にもなるだろうと指摘した。

 また、04年1月に若いOBを中心とした歴代主将会議を開き、組織の必要性と朝鮮学校生徒たちにバスケットボールを通じさまざまな機会を与えていく目的のもと、愛知朝鮮籠球強化委員会を立ち上げたことを紹介した。

 そしてこの間、計画的な強化策を打ち出し、@名古屋朝鮮初級学校の愛知県ミニバス連盟加盟、対外試合、合同練習、父母会立ち上げ支援と愛知中高への指導者派遣A初級部から一般まで、日本のチームとの接点強化を通した朝・日親善BOB会開催、父母会への応援態勢確立、年代別同窓会、ヘバラギカップ優勝(第2回大会、04年8月)祝勝会などを通じた同胞支持者、理解者の拡大―などを推進してきたと指摘した。

 金会長は、強化委員会の活動過程を総括し協会の結成によって新たなスタートを切りたいと述べ、「『カネ集めよりヒト集め』『50年、100年先も発展し続ける組織となるための情熱の喚起』を協会の理念として知恵と勇気を結集し使命と任務を果たしたい」と抱負を語った。

 朴秀成会長から、愛知籠球団所属の選手母体の役員が発表され、愛知県協会の李延男新理事長が協会規約を発表した。規約によると、協会では@各種競技会、講習会および研修会の開催A競技力の向上、審判及びオフィシャルの指導、奨励B各学校バスケットボール部への支援−などを行っていく。

初代監督、「『接触』の継続を」

祝杯をあげる100余人の参加者たち

 設立記念パーティー会場には関係者らとゆかりある同胞、日本市民らが顔をそろえた。

 愛知大学の主将として活躍し、約50年前に結成された愛知中高バスケットボール部監督を務めた黄又植さん(72)もそのひとり。黄さんによると、職員室前の土のコートにある石を拾うことからスタートしたという。「互いが『接触』を継続することで良いアイデアは出てくるもの。がんばってもらいたい」と微笑んだ。

 また、強豪・桜花学園高(女子高)の井上眞一監督(61)は「子どもがバスケを好きなのかどうか、指導者が子どもを好きなのかどうか」が強豪への近道だと説き、「今後、朝鮮学校の指導者をコーチングする機会さえあれば喜んで引き受けたい」と在日バスケットボール界発展に尽力する意向を示し、協会の設立を祝した。

 一方、康徹洙理事長は「いつか井上先生が『しまった』という日がくるだろう。その日のために中央協会も尽力し愛知県協会とがんばっていきたい」と熱く語った。

 愛知県協会の女性部長を努める金明淑さん(32)は、「フィットネス感覚で籠球団への練習に参加してもらいたい」と既婚者にも呼びかける。「将来的には女子生徒の練習を私たちが見て彼女たちの道を拓いてあげたい」。

 「盛り上げていきたい」と話す愛知県協会の李延男理事長(32)は今後、協会傘下に経験者の「受け皿」となる男女別チームをつくり父母世代を網羅する意向も表明した。

 協会には愛知中高の全国大会出場、朝鮮代表選手輩出という夢もある。

 康勲会長はそんな協会役員らを見つめ、「『バスケの虫』は愛知にも多い。気迫あふれる役員らが後輩のために県下の幅広い愛好家を網羅し、その精神をしっかりと継承してもらいたい」とエールを送った。(李東浩記者)

[朝鮮新報 2008.5.14]