top_rogo.gif (16396 bytes)

第2回埼玉同胞家族卓球大会 ファミリー、個人部門で熱戦

親子でかく汗、大切な時間

 太陽節記念第2回埼玉同胞家族卓球大会(主催=在日本朝鮮人埼玉県卓球協会)が4月20日、埼玉朝鮮初中級学校体育館で行われ、120余人が参加した。在日本朝鮮人体育連合会の成斗嬉副会長、在日本朝鮮人卓球協会の姜英宙会長、権春一理事長、総連埼玉県本部の李政晩委員長、在日本朝鮮人埼玉県体育協会の黄雲海会長、裵光幸顧問らも会場に駆けつけ声援を送った。

情熱的な会長

家族ぐるみで楽しむ姿がたくさん見られた

 大会では、ファミリーと個人部門競技が行われた。また、埼玉初中の初級部高学年、中級部が学年別で競い合った。

 ファミリー部門では洪英夫さん(40)家族、個人A(経験者)部門では金達樹さん(33)、個人B(初心者)部門では鄭基浩さんが優勝した。

 さまざまなレベルの愛好者が一堂に会した大会。参加者らは親子の絆を確かめ合いながら、子どもの成長ぶりに目を細めていた。

 そんな微笑ましい姿を目で追う埼玉県卓球協会の玄斗圭会長(66)は、有志らと一昨年に協会を立ち上げ昨年4月に第1回大会を開催した。月に二度、練習を行い普及に努めてきた。「卓球がほんとうに好き」だと熱く語る玄会長は、約50年も前からラケットを握り続けてきた。

 「『玄斗圭』というより『卓球先生』というほうが有名かな」。朝鮮学校生徒らにも卓球を教えてきた玄さんは日本の高校を中退し17歳で活動家となった。

 長年の経験を通じ「組織の『細胞』は分会。社会の『細胞』は家族」と実感。卓球は親が子と共に汗を流すことのできる格好のスポーツだと話しながら、「同胞の卓球人口をさらに増やしたい。卓球を通じた『同胞訪問運動』を展開し、協会にも積極的に受け入れていきたい」と語った。

広がる同胞の輪

 22年ぶりにラケットを握ったという洪英夫さんは、日本の学校から東京中高高級部に編入した。小中学校、高級部と卓球部に属したが卒業後は「(卓球と)縁がなかった」という。先日、玄会長の勧めで埼玉県卓球協会の練習に参加し、今大会ではファミリー、個人部門に出場。同校に通う息子と力を合わせ出場したファミリー部門で見事に優勝した。

 会場を見渡しながら「こんなに集まるとは思わなかった。卓球は家族でできるスポーツ。学生時代にサッカー、テコンドーをやっていた参加者も多く、経験のない息子も楽しそう。子どもが大きくなり、それぞれのスケジュールが合わず一緒にでかける機会も減った。でも今日は家族ででかける良い機会となった。それにしても、卓球を通じて広がる同胞の輪は素晴らしい」と笑みを浮かべた。

 一方、この日個人A部門で優勝した、在日本朝鮮学生中央体育大会でベスト4の経験も持つ京都府出身の金達樹さん。中級部まで属した卓球部で磨いた動体視力と反射能力を披露し、参加者らの注目を集めた。埼玉の協会結成後、「玄会長に『強制的』に入れられた」と笑いながらも、「この2年間で運動不足が解消した」と気持ちよくかいた汗を拭っていた。

いつかは朝鮮の代表を

 埼玉初中卓球部はすでに廃部となった。この日、生徒の部を設けたのは子どもたちに卓球の魅力を伝えたいという関係者らの思いからだ。

 学級対抗の中級部団体戦で優勝した文寿賢くん(中1)は、「団結の力で優勝できた」と笑顔。同校サッカー部に所属しているが、「楽しかった。スマッシュするときが爽快」だと卓球の魅力について話した。

 この日、在日本朝鮮人卓球協会は埼玉初中に50個のラケットを寄贈した。姜英宙会長(57)は、地域で卓球を楽しみ愛好家の幅を広げることによって、朝鮮学校生徒らの選択肢も広がれば、と切に願っている。

 「年々、生徒数が減少するなか、同胞の卓球人口を増やすことは、われわれ役員の努力にかかっている。今後、朝鮮学校卓球部選手のなかから、朝鮮代表を育ててみたい」

 手軽なスポーツとして老若男女を問わず幅広く愛されている卓球は近年、日本社会で若者たちの間で広がりを見せはじめている。

 朝鮮代表選手は、今夏の北京オリンピックに出場する。各地に同胞愛好家は多く、この日も大会開始前から「バシッと打て!」などの熱気が、終始会場を包んでいた。

 2年前に結成された埼玉県卓球協会関係者は、今後も4月の卓球大会を定例化していきたいと意気込んでいる。(李東浩記者)

[朝鮮新報 2008.4.30]