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在日本朝鮮人芸術体操協会結成 有能な選手育成目指す

「研究会」の地道な活動が実る

5日に行われた協会結成の集い(写真=韓錦女氏)

 在日同胞社会で芸術体操(新体操)普及に尽力してきた在日本朝鮮人芸術体操研究会が、これまでに蓄積してきた経験を基に在日本朝鮮人芸術体操協会を設立した。5日、都内の飲食店で結成の集いが行われ、総連中央の金尚一民族圏委員会副委員長、在日本朝鮮人体育連合会(体連)の李清敬理事長、朝大、朝高OG、関係者らが参加した。

 在日同胞社会における芸術体操の歴史は1986年、朝鮮大学校に在職していた韓錦女さん(48、芸術体操協会副会長兼理事長)らを中心に結成された芸術体操講習組織委員会に端を発する。各地で100人規模の講習会を行い、90年に芸術体操研究会に名称を変更し活動を行ってきた。

 94年から、小学生を中心に朝・日生徒らの交流の場ともなっているコッポンオリ競技大会を開催。昨年4月、「太陽節記念全国体育祝典」芸術体操個人種目別競技では、東京朝鮮中高級学校高級部3年(当時)の安成花選手が3位入賞を果たした。関係者らの地道な活動が実を結んだものと言える。

 また、300ページを超える国際審判規則書を翻訳、製本して朝鮮に送り、2002年には国際体操連盟新体操技術委員の関田史保子さん(日本体操協会副会長)の訪朝を実現させ審判講習を催し、朝鮮の芸術体操発展に大きく寄与した。

 一方、世界新体操選手権とイオンカップ世界新体操クラブ選手権に出場するため訪日した朝鮮の選手団もバックアップしてきた。

 これまでも協会の設立は幾度となく試みられてきた。しかし、朝鮮学校生徒が年々減少するなか、女性種目という特性、指導員が結婚などで続けられないなどの理由でなかなか実現には至らなかった。

 しかし、今回の準備期間、各方面に働きかけを行い普及に没頭してきた韓錦女副会長の朝大での教え子らの「協会を設立しましょう」という一言を契機に、22歳から芸術体操に携わってきた韓副会長の経験、決意が実りを結んだ。

 協会結成の集いで韓副会長は「継続は力である」と語り、体連をはじめとする関係者、物心両面において在日芸術体操界の発展を支えてきた卒業生、愛好家らに感謝の意を表しながら、「有能な選手を育て愛好家どうしの連携を深める機会を提供し、同胞社会における社会体育、大衆体育の役割をしっかりと果たしていきたい」と抱負を語った。

 芸術体操協会の規約によると、同協会は在日同胞社会に芸術体操を広く普及し技術発展のための機関として、芸術体操を通じ在日朝鮮人運動と朝鮮の体育発展に寄与する。

 また、朝鮮学校に通う生徒らをはじめ芸術体操を若い世代に普及するため、合同練習会、講習会、競技大会、合同発表会を毎年行っていく。

 そして優秀な選手らを積極的に発掘、バックアップし、朝鮮で講習会を行うなど多彩な形式で選手らの技術向上を支え、日本の公式大会に参加できるよう支えていく。あわせて、日本の新体操関係者らとの交流を深めるなど幅広い活動を行っていく。(東)

[朝鮮新報 2008.4.17]