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〈全国高校選抜大会〉 ボクシング 東京 李栄柱選手が銀

 3月末から4月初旬にかけてボクシング、ウエイトリフティング、ラグビーの全国高等学校選抜大会が各地で行われ、北海道、東京、大阪朝高が出場した。

 第19回全国高等学校ボクシング選抜大会(兼JOCジュニアオリンピックカップ)が3月23日から26日にかけて熊本県立総合体育館(熊本市)で行われ、東京、大阪の朝高5選手が出場、東京朝高・李栄柱選手(高3)がフライ級で準優勝した。大阪朝高・金成龍(フェザー級)、劉明剛(ウェルター級)の2選手はそれぞれ1勝しベスト8、東京朝高・徐将希(バンタム級)、金徳成(フェザー級、すべて高3)の2選手は1回戦負けだった。会場では連日、総連熊本県本部・金末幸委員長をはじめとする九州地方の同胞らが朝高勢に熱い声援を送っていた。

ペース握られた決勝

フライ級で準優勝した李栄柱選手(左)

 「優勝できなかったけど恥ずかしくない」−フライ級決勝直後、東京朝高・李栄柱選手(東京ブロック代表)は、堂々としていた。東京朝高勢としては7年ぶりの選抜大会決勝進出だった。自身4度目となる「全国大会」で初めて勝利した1回戦を皮切りに、主将としての意地が決勝の舞台へと導いた。

 決勝まで、ぐんと伸びた技術を披露。初戦(15−11のポイント勝ち)で見せた右フック、足の運び、1勝に満足しなかった気概も厳しい練習を通じて生まれたものだった。2戦目の準決勝(4R52秒、ポイントRSC勝ち)では、アウトボクシングをできなかったと悔やむも、相手との距離をしっかりと保ち前日からの緊張をほぐした。

 「同胞の期待に応え結果をもって感動と勇気を与えたい」と臨んだ決勝では、豊田大選手(太宰府高、九州ブロック代表)に開始直後からワン・ツーを繰り出した。しかし2Rに顎とボディに有効打をくらいペースを握られた。3Rでもボディへの攻撃を許し、このラウンド38秒、笛の音とともに試合が終了した(ポイントRSC負け)。

 「相手は強かった」と李栄柱選手。「飛び込んでくるような右ストレート、接近戦でのボディをもらいすぎた。自分よりも相手の気持ちが強かった」と豊田選手を称えた。豊田選手は「リーチが長くてやりづらかった。インターハイでも負けないようにしたい」と話した。

得た自信、インターハイへ

 李栄柱選手は今大会、「全国大会」で優勝する難しさを実感したという。メンタル面、技術の向上など課題は山積みだが大きな収穫も得た。それは、「自信」の二文字。「ボクシングを始めてからボクシング以外のことをするのにも自信をもって取り組めるようになった。気持ちを張ってインターハイでは優勝したい」。すがすがしい表情の李栄柱選手がこう付け加えた。

 「準優勝で同胞は喜んでくれますか?」−大会中、幾度となく同胞に力と勇気を与えたいと話す李栄柱選手の姿を、東京から会場を訪れたオモニ、金鶴順さん(47)もしっかりと見ていた。「子どもが殴られる姿を見るのは正直緊張するけど、熊本まできて良かった。先生、後援会、OBの人たちからの支援を糧に、強くなってもらいたい。栄柱はボクシングを始めて変わった。男らしく、大人っぽくなった」と微笑んでいた。

 一方、東京朝高・金尚洙監督(34)は「徐将希、金徳成の2選手は初の『全国』で固くなり、力を出し切れなかった。李栄柱は東京朝高ボクシング部としては久しぶりの決勝進出を果たし、部の誇りを示せた。今大会を通じて新たに見つかった課題、教訓を持ち帰ってレベルアップさせていきたい」と総括した。

 金成龍選手 減量もうまくいって食べながら落とせたが、初戦でダメージを受けすぎた。余分なパンチをもらっていたら「全国」では通用しない。インターハイでは金メダルを狙いたい。

 劉明剛選手 昨年のインターハイ後に上下のジャブを使い分けられるようになった。しかし練習不足でぜんぜんだめだった。この悔しさをインターハイにぶつけたい。

 徐将希選手 自分の距離でジャブをしっかりと打つことが課題。インターハイでは優勝したい。

 金徳成選手 相手選手の下からのパンチで冷静さを失った。大会を通じ技術と精神力が成長した。

 大阪朝高・宋世博監督(25) 金成龍、劉明剛選手とも1勝したことは成果だ。しかし2選手ともディフェンスに課題が見えた。本人らも実感しているが、まだまだ成長の余地がある。インターハイ大阪府予選に向けてがんばりたい。(李東浩記者)

[朝鮮新報 2008.4.9]