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ひとつの想いがもうひとつの想いに −鄭喜成−

 ある日 あなたとわたしが
 縦糸と緯糸として出会い
 ひとつの夢を織りなすことができるなら
 ふたりの夢が出会い
 一幅の絹を織りあげることができるなら
 わたしは待とう、凍てつく街かどで
 長い沈黙と孤独の果てに
 ひとつの悲しみが もうひとつの悲しみに手を差し伸べ
 ひとつの想いが もうひとつの想いの
 深い瞳を覗き込むとき
 厳しい冬が来ようとも
 ふたりの愛を凍らせることはできない
 独り寂しく待ち続けた
 ある日 あなたとわたしが出会い
 ひとつの夢を織りなすことができるなら

申庚林編「初めてのように」

(2006年 茶山書房)

 チョン・ヒソン

 1945年慶尚南道昌原生まれ。ソウル大学国文科卒。70年東亜日報新春文芸に当選し登壇。81年第1回金洙暎文学賞受賞。詩集に「踏青」「暮れゆく川でスコップを洗い」「ひとつの想いがもうひとつの想いに」など。民族文学作家会議理事長。現在ソウル市麻浦区の崇門高校で教壇に立つ。詩人は昨年6月、「枝川朝鮮学校支援募金」共同代表として同校を訪問。(選訳・康明淑)

[朝鮮新報 2008.12.17]