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通名の生徒との出会い

石田貞さん 埼玉県朝鮮人強制連行真相調査団日本人側団長

 15日、関東大震災85周年記念植樹を埼玉初中で行った。76歳。

 半世紀前、教員となり、赴任した女子高で通名の在日朝鮮人生徒と出会った。

 出自を隠す彼女を「勇気づけたい」と、授業で3.1人民蜂起などの話をしたが、生徒からは何の反応も得られなかった。自らの未熟さが悔しかった。

 その後、在日朝鮮人の歴史研究のため聞き取りを行いたいという生徒を連れ、在日が多く住む部落に出かけた。生徒たちの聞き取りは拒まれる。「なぜ話せないのか」と問うと、事件があるたびに警察の目の敵にされてきた在日の立場を知った。地域を束ねる総連支部に頼み込み聞き取りを実現。あのときから今日まで35年間、歴史の真実を伝えようと努めてきた。

 「今後は朝鮮人として生きたい」。ある時、石田さんの活動を知った女子高時代の教え子から寄せられた手紙には、こう書かれていた。(東)

[朝鮮新報 2008.11.17]