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嵐 −鄭浩承−

 嵐が過ぎ去るのを
 待つのは間違っている

 嵐を恐れて
 嵐を傍観するのはもっと間違っている

 みずから嵐となり
 髪振り乱し空を揺さぶる
 あの一本の立ち木を見よ

 みずから嵐となり
 嵐を衝いて飛ぶ
 あの一羽の鳥を見よ

 ギンドロの葉あいに
 嵐の吹きすさぶ夜が深まろうとも

 嵐が過ぎ去るのを
 待つのは間違っている

 嵐が過ぎ去った野原に咲く
 一輪の花になるのを
 待つのはもっと間違っている

中学生文庫「国語の時間に詩の朗読2」

(2003年 図書出版ナラマル)

 チョン・ホスン

 1950年慶尚南道河東郡生まれ。地方の銀行員だった父が文学の世界へ導いたという。1976年慶熙大学国文科卒。1989年第三回素月詩文学賞、2000年鄭芝容文学賞受賞。詩集に「悲しみが喜びに」「淋しいから人間なのだ」「葉にも傷がある」など。(選訳・康明淑)

[朝鮮新報 2008.11.10]