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〈第11回平壌国際映画祭〉 各国映画人の反響

「理念に共感、発展を確信」

 平壌国際映画祭には、世界各国から演出家、俳優、映画会社関係者が訪れた。各国映画人の反響を紹介する。

「俳優として誇り」

 祭典開幕作品として上映された中国映画「暖情」に出演した哈斯高娃(ハースガオワー)さんは、「幼いころから『花を売る乙女』をはじめ朝鮮映画を見て育った。今回の訪朝は貴重な経験になった」と述べた。

 「暖情」は、出稼ぎに出た妻を探しに見知らぬ土地に来た夫とその息子が苦難を経たすえに妻と再会し、再び家族のきずなを確かめあう過程を描いた作品で、祭典特別賞を受賞した。

 哈斯高娃さんは、「一つひとつの小さな家庭の幸せが社会と国の幸せにつながることを伝えたかった。朝鮮の人びとが喜んでくれて、俳優としての誇りを感じる」と語った。

 祭典最優秀賞を受賞した中国映画「集結號」に出演した湯★さん(写真)は「昨年、釜山国際映画祭に出品した作品が今回平壌で上映され、うれしく思う。祭典最高の賞をもらい中国映画の力を示すことができた」と話した。

 5年の製作期間を費やし、厳しい自然の中で生きる動物の姿を捉えた独・英合作ドキュメンタリー「アース(Earth)」は、ドキュメンタリー部門で撮影賞を受賞した。世界各国で上映され大きな反響を呼びおこしたが、平壌でも圧倒的な映像の美しさで観客の喝采を受けた。

 製作スタッフの一員であるソフォクレス・タシオリスさんは、「地球上に生きる生命体に対する愛」をテーマにしたと話す。タシオリスさんは祭典期間、地球環境保護の重要性を朝鮮の観客に再三アピールしていた。

 「われわれは、美しい地球環境を保存できるのかどうかというとても難しい岐路に立たされている。この問題は、一部の地域に限られたものではない。皆が共に取り組まなければならない。映画を通じて、朝鮮の皆さんが環境問題にさらに大きな関心をもってくれるよう願う」(タシオリスさん)

朝鮮の新作に期待

 祭典審査委員を務めたロシアのユーリ・ウィクトールヴィッチ・カラ氏(映画文学作家、演出家)は、平壌国際映画祭は「はっきりとした主張をもっている」と話す。今祭典に参加した外国の映画人らも、「自主、平和、親善」の理念を掲げた同祭典が商業的な側面よりもテーマと芸術性を重視する姿勢をはっきりともっていることを高く評価した。

 英誌「バラエティ(Variety)」の映画批評家デレク・エリー(Derek Elley)さんは、映画祭というイベントの意義について「世界各国の作品を観ることができ、製作者らと出会い意見交換をすることができる」と指摘し、「平壌映画祭はこのすべての側面に寄与している」と述べた。

 30年間、さまざまな国際映画祭に参加してきたエリーさんは、カンヌ、ベネチアなどに比べると規模は小さいが、平壌映画祭は間違いなく特色のある祭典で今後、大きく発展していく可能性があると述べた。

 また、欧州で開催された朝鮮映画祭の組織活動にも携わったことのあるエリーさんは、最近のアジア映画の発展を大きく評価し、朝鮮映画に対する期待も示した。今祭典で、新作の朝鮮映画が1編しか出品されなかったことは残念だと惜しみながら、「第10回参加作品の『ある女学生の日記』、今回特別上映された『花を売る乙女』など伝統的にレベルの高い映画を製作してきた。次回、朝鮮映画の『復活』を期待する」と語った。

★=女へんに燕

[朝鮮新報 2008.10.1]