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第10回「李玉禮と仲間たち」ポジャギと創作人形の作品展 280余点展示 神戸で

朝鮮の伝統芸術、後世に

ポジャギ236点と創作人形50点が出展された

 第10回「李玉禮と仲間たち」ポジャギと創作人形の作品展が13〜15日にかけて、兵庫県立美術館「原田の森ギャラリー」本館(神戸市灘区)で行われた。

 10回目の記念すべき作品展には、NHK文化センター大阪、神戸のポジャギ教室の受講生56人と朝鮮半島伝統文化研究会の研究生たちのポジャギ236点、李玉禮さんの創作人形50点が出展され、文化人、芸術家、大学教授、市民団体、報道関係者を含む同胞、日本人ら延べ860人が訪れた。近畿各府県と千葉、岡山、福岡からの参加もあり、丁寧に縫いこまれた伝統美豊かなポジャギと民族情緒あふれる人形を観覧した。

 13日には講演会が行われ、李さんが「朝鮮半島の文化とポジャギについて」語った。李さんは、朝鮮の伝統文化、衣の文化、そしてポジャギについて「朝鮮民族は古くから白色を好む白衣民族。だから白っぽい、あわい色が多い。布から始まり布に終わる布の重なり、つぎはぎの美」と表現。また、文字を読めないのに手紙を開いては息子の無事を案じた祖母の姿など、幼い頃の朝鮮での生活体験を再現した創作人形について語り、聴衆の涙を誘った。

ポジャギ実習の様子

 李さんは朝鮮学校や県下女性同盟支部などのサークル、NHK文化センターなどでポジャギ講師を務めており、北海道から福岡まで各地で展示会やポジャギ教室を開いてきた。「本物の民族文化を後世に伝えたい。日本の人々にも知ってもらいたい」と語る。今回も2日間に渡ってポジャギの実習が行われ、40余人が参加した。

 訪れた人たちは「実用の生活を芸術化した点は見事」「(人形の)表情が豊かでそれぞれに人生や生活感があふれていて感動した」「初めてポジャギを見たが、縫い目が細かくてきれい。繊細でやわらかく優しい感じが伝わった」「一針一針丁寧に縫い上げるみなさんの真心が感じられた」などと感想を残した。ある日本人は「作品を通じて平和な文化の発展、異文化共生社会の促進が期されることを願う」と述べた。

 10回目の作品展に向けて、NHK文化センター大阪、神戸の受講生らを中心に実行委員会を構成し、出展者や朝青の協力を受け全員が一丸となって出展準備、会場設営、宣伝活動に取り組んできた。

 関係者たちは「展示会を通じてさまざまな人たちに朝鮮の伝統文化の素晴らしさを紹介することができた」と安堵した。【兵庫支局】

[朝鮮新報 2008.9.22]