李億水さん　介護老人保護施設ハーモニー共和　介護士

　奉仕とは、福祉とは何か。とても悩ましい問題だった。

　朝鮮大学校を卒業後、専従の活動家として地域同胞社会に入る。同胞と接する機会は多かったが、まだ見ぬ同胞が多数存在することに気づく。病を患う同胞たちだ。「いかに社会貢献するべきか。どうすればすべての同胞に『安心』を感じてもらえることができるかを常に考えた」

　自身を育ててくれた同胞社会に対する恩返しと、同胞に対する愛情から生まれた問題意識だった。結果、介護士として地域に貢献する道を選ぶ。

　「地域貢献こそ大事な福祉の増進」と語る彼は、「同胞高齢者にウリマルで語りかけることもまた、福祉活動の一環だと考えている。これは、どんな小さな地域からでもできること」だと話す。

　「何が得たかったのか」の問いに彼は、「同胞の笑顔」と答えた。（丘）

［朝鮮新報 2008.9.1］