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夏の夜 −李準冠−

 夏の夜は美しい
 夏の夜は一睡もせずに明かそう
 息子よ、父さんが話をしよう
 膝の間に入っておいで
 空いっぱいの星たちが
 どうやら眠らせてはくれないようだ
 木々の葉に沈んだ真昼の太陽が
 懐中電灯のように私たちの思い出を
 チカチカと照らしてくれる
 息子よ、世の中について気になることが多いだろう
 夜どおし尋ねてごらん
 あの星たちが美しい答えになってくれるだろう
 息子よ、そばにおいで
 十本の指に月をぶら下げてあげよう
 月がしぼんだら
 指をひろげて空に撒くがいい
 夏の夜は美しい
 短い夏の夜が明ける前に(そう、美しいものは短いもの!)
 一睡もせずに
 目が赤くなるほど美しさを見上げよう

「詩を読むよろこび」
(2001年 作家精神)

 リ・ジュングァン

 1949年全羅北道井邑生まれ。全州教育大・高麗大教育大学院卒。現在、ソウル・九老高校の教壇に立つ代表的な児童作家の一人。71年、ソウル新聞の新春文芸に童詩でデビュー。「韓国児童文学作家賞」などを受賞。詩集に「荒野」「十本の指に月をぶら下げて」など。(選訳・康明淑)

[朝鮮新報 2008.7.28]