一羽のムクドリが飛んできて 木にキスをすると 木は鳥の口の中に 山茱萸の実を入れてあげました
甘い果肉の季節が終わり ある日 宙を飛んでいた鳥は 最後の墜落を迎えました 風が、落ちた鳥の骸を運び去るとき その身体の中に残っていた山茱萸の種は 芽を吹き 青葉茂る木になりました
木は 鳥が生んだ子供でもあったのです
鳥の群れが飛んでいきます 欝蒼とした森の来世が飛んでいきます
「詩を読むよろこび」 (2001年 作家精神)
リュ・ハ
63年全羅北道高敞郡生まれ。世宗大学英文学科、東国大学演劇映画学科大学院卒。同年「文芸中央」新人賞で登壇。91年に詩集「風吹く日には狎鴎亭洞に行かねば」を出版し大反響を呼ぶ。同じタイトルの映画化で監督デビューする。95年第15回金洙暎文学賞。(選訳・康明淑)
[朝鮮新報 2008.7.7]