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帰天 −千祥炳−

 わたしは空へ帰るのだ。
 朝の光にふれて消えゆく
 露とともに、手をつなぎ

 わたしは空へ帰るのだ。
 夕焼けと二人きり
 山のふもとで戯れ 雲が手招きしたら

 わたしは空へ帰るのだ。
 美しいこの世界での遠足を終える日
 帰って、美しかったと話すのだ…

「申庚林の詩人を尋ねて」
(1998年 ウリ教育)

 チョン・サンビョン(1930−1969)

 兵庫県姫路市生まれ。馬山中学5年のときに「川の水」という詩が文芸誌に掲載される。その後、ソウル大学商学部に入学、在学中に同人誌「処女地」を出版。67年「東ベルリン事件」と呼ばれるでっち上げのスパイ事件に巻き込まれ、6カ月間投獄。拷問の後遺症で廃人のようになる。一時行方不明になり、同僚の文人らが遺稿詩集「鳥」を発刊したという逸話がある。ソウル・仁寺洞の路地裏には夫人が経営する伝統茶屋「帰天」がある。(選訳・康明淑)

[朝鮮新報 2008.6.16]