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「事実だけでも知ってほしい」

船津基さん 青年劇場団員

 日本の植民地下にあった朝鮮が舞台、「創氏改名」政策をテーマにした演劇「族譜」(原作=梶山季之、脚本・演出=ジェームス三木)。朝鮮人に「創氏改名」を強要する主人公の谷六郎を演じている。

 「『谷』の気持ちがわからなかった」。なぜ同じ人間なのに、朝鮮人を下等のものとして扱ったのか。なぜそのような時代があったのか、理解できなかった。

 だから、「谷」になるために当時の背景を勉強した。そして日朝の近代史を知っていく中で、役に熱が入っていった。しかし、ただ学んだつもりでは、本当の「谷」になりうるという恐怖心があるという。

 「『族譜』の時代、日本は『盲目』だった。他国の人やモノを傷つけたという事実だけでも知ってほしい」と舞台を観る人たちに願っている。

 6〜7月、10月に「族譜」は全国巡演を行う。(裕)

[朝鮮新報 2008.5.19]