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生きているものは美しい −梁性佑−

 生きているものは美しい
 どんなにちっぽけなものでも 生きているものは
 美しい
 雑草や花びらや 泥の中にひそんで生きる
 ものたちだって
 生きているから美しくて神秘的なんだ
 風ひとつない夏の夜
 空を覆う森の木陰に座ってごらん
 木々の深い息づかいとともに
 無数の若葉のとめどないささやきが
 聞こえてくる
 過ぎ去った時間ではなく この瞬間に
 立っていようと動いていようと生きていることが
 美しい
 ただひとつ 生きているということだけで
 それが何であれ涙があふれるほど美しい

「親子で読んでほしい詩」都鍾煥編
(2004年 木々の想い)

 リャン・ソンウ

 1943年、全羅南道咸平郡生まれ。全南大学国文科卒。70年「詩人」誌に「発想法」「証言」などを発表し文壇デビュー。75年維新体制に反対する詩「冬の共和国」を発表し教職を追われる。その後、雑誌「世界」に掲載した長詩「私たちは10回も本を投げた」が国家冒とく罪にふれ投獄される。05年、30年ぶりに教壇に復帰。現在、民族文学作家会議諮問委員。詩集に「発想法」「奴隷手帳」「初めての気持ち」など。(選訳・康明淑)

[朝鮮新報 2008.3.17]