〈6者団長会談〉 日本の怠慢、合意履行に障害 |
「支援不参加」に不満続出
【北京発=金志永記者】今回の団長会談では、対朝鮮エネルギー支援に関する5者の義務履行完了に関する問題も集中的に論議された。10.3合意履行完了の局面において、米国をはじめすべての参加国による「行動対行動」原則の遵守が強調されたのは、全朝鮮半島の非核化が東北アジアの国際関係再編と地域の新たな平和安保体制の構築に直結しているからだ。 しかし、拉致問題を口実にしてエネルギー支援に背を向けてきた日本は、朝鮮が提出した核申告書に「核兵器に関する内容は含まれなかった」と主張。また対朝鮮敵視政策の表れである「制裁」を続け地域情勢の好転を妨げながら、「核申告書の正確な検証」について繰り返した。朝鮮半島核問題の本質を忘却したこのような一方的な主張が6者合意の履行に障害をきたしている。 日本は、今回の団長会談でも対朝鮮エネルギー支援という6者合意に基づく義務履行を拒否する姿勢を貫いた。日本の首席代表である斎木昭隆・アジア大洋州局長は、拉致問題と対朝鮮エネルギー支援を強引に結びつける主張を繰り返した。義務履行を怠慢する日本の態度に、他の参加国からは非難と不満の表明が相次いだ。 日本は「支援不参加」の理由として「朝・日関係の停滞」を持ち出した。しかし、朝・日双方は、6月に行われた政府間実務会談を通じて後続協議の枠組みを作っている。 外交筋の一般的な観測によると、これまで朝・日間で後続の協議が行われていないのは、拉致問題で硬直した世論に神経を使わざるをえない日本側の事情が大きく作用している。 こう着打開のきっかけを適切に活用できない日本の国際的なイメージは落ちる一方だ。 10.3合意を他の参加国よりも早く履行した朝鮮に「支援不参加」の責任を転嫁しようとする日本の態度に反感が高まっている。とりわけ、不当にも「当事者」扱いされた朝鮮代表団に否定的な心証を与えたことは言うまでもない。 会談現場周辺では、目前の好機を常に逃し、状況を好転させる決断を先送りにする日本は、「6者会談が進展すればするほど迷走を重ねるのではないか」との声が多かった。 [朝鮮新報 2008.7.16] |