〈6者団長会談〉 「行動対行動」 6者が検証監視 |
朝鮮側の積極的な問題提起 【北京発=金志永記者】6者会談・団長会談が10〜12日まで中国・北京で行われ、6項目からなる報道発表文(要旨別項)が発表された。これによると6者会談参加各国は、9.19共同声明履行の「第2段階」である10.3合意履行を完結させる方法を議論し、朝鮮半島非核化のための検証体制を樹立することに合意した。また、6者による公約履行に関する監視体制も作られることになる。 6者会談の団長、首席代表たちが一堂に会したのは約9カ月ぶり。さる6月、朝鮮が核申告書を提出、米国も「テロ支援国家」指定解除を含めた政治的補償措置を発表したことで、10.3合意履行は新たな局面に突入した。 今回の会談では、「行動対行動」の原則に基づき、6者会談のすべての参加国が10.3合意履行を完了するため各側の義務の履行を正確に完結する問題が討議された。 各側は▼検証および監視メカニズムの構築▼対朝鮮経済・エネルギー支援の完了▼6者外相会談の開催と北東アジア平和安保体制の構築▼「第3段階」の基本構造と方向性など4つの議題について議論を行った。また団長会談と並行して、非核化および経済・エネルギー支援作業部会も開かれた。 金桂官外務次官を団長とする朝鮮代表団は今回の会談で、「全朝鮮半島の非核化」という9.19共同声明の原則を再び強調した。10.3合意履行を完了し「第3段階」の問題討議をすることになる今回の時点で、6者会談の目標を再確認する必要があると判断したものと思われる。 朝鮮は、すでに提出した核申告に対する検証作業に協力する用意を表明して今回の会議に臨んだ。しかし検証に関する議論をただ単に「第2段階」義務履行の「後続措置」を講じるという次元で展開したわけではない。
外交消息筋によると、朝鮮は6者が合意した9.19共同声明の原則にしたがって検証問題に対する議論を展開したという。すなわち朝鮮の一方的な武装解除につながる非核化ではなく、朝米の敵対関係を清算して朝鮮半島とその周辺ですべての核戦争の脅威を根源的に取り除く非核化に向けた検証を主張し、またその必要性と正当性を主張したという。 団長会談の報道発表文に示された合意には、そのような朝鮮の主張が反映されている。 6者は、朝鮮半島非核化を検証するための検証体制の樹立に合意した。核申告書の検証にとどまらず、より包括的な検証体制を作ることになった。 もちろん朝鮮側が今回の会談で提起した「検証論議」は、10.3合意履行の完結を急がねばならない現時点で、今すぐ着手すべき課題ではないかもしれない。しかし今回の会議における積極的な問題提起は、朝鮮が北東アジアの新たな平和安保体制の構築に直結する「全朝鮮半島の非核化」という目標を明確に定めて、「第3段階」に関する討議を着実に準備していることを示している。 また朝鮮は10.3合意履行を完了させる局面で開かれた今回の会談で、「行動対行動」の原則が遵守されなければならないと再三、強調した。 そして、米国を含めたすべての参加国の義務履行は例外なく検証を受けることになっているという主張を貫徹させ、合意を導きだした。6者会談の枠内で、参加各国の団長たちによって構成される監視体制を樹立することに合意したのがまさしくそれだ。 今回の団長会談では、「全朝鮮半島の非核化」を検証可能な形で実現するという9.19共同声明の原則にもとづき、朝米を含んだ6者の「行動対行動」を保障する体制が準備されたといえる。 [朝鮮新報 2008.7.16] |