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李明博政権退陣求める ソウル 牛肉輸入反対デモに50万人

キャンドルの火再燃

5日夜、ソウル市内で行われた米国産牛肉輸入反対デモ [写真=統一ニュース]

 BSEの危険性が指摘される米国産牛肉の輸入再開に反対する大規模なキャンドルデモが5日、ソウル市内の中心街と周辺道路で行われた。

 ソウル市庁舎前広場で5日午後6時から始まった文化祭形式の集会には、インターネットを通じて集まった各階層の市民や学生、全国民主労働組合総連盟(民主労総)の組合員、市民団体の活動家らのほか、カトリック、プロテスタント、仏教の宗教団体関係者や統合民主党、民主労働党、進歩新党、創造韓国党の所属議員らが参加した。

 主催団体である「米国産牛肉輸入反対国民対策会議」(国民対策会議)の発表によると、集会とデモには6月10日の「100万人キャンドル大行進」(ソウルで約70万人参加)以来最多となる約50万人が参加した。

 警察から逮捕令状が請求されているパク・ウォンソク氏ら国民対策会議の幹部4人も舞台に登場、「決して退くことなく最後までたたかいたい」と力強く話した。

 10時前に集会を終えた参加者らは道路に繰り出しデモを行った。

 集会とデモでは、米国産牛肉の輸入再開に踏み切った李明博政権の退陣を求める声が上がった。

 また、今回のキャンドル集会とデモでは「非暴力」のスローガンが掲げられた。抗議行動は警察との衝突もなく、終始平和裏に行われた。

 デモは6日未明まで続いた。

 集会で発表された「7・5国民勝利宣言文」は、「警察の盾も放水車もわれわれを分かつことはできない。われわれはすでに勝利した」と、5月以来2カ月にわたって続いているキャンドル抗議行動を評価。また「源泉封鎖、全員連行、押収捜索、背後勢力あぶり出し、指導部検挙など醜悪な独裁を行っている政府は全国民を敵に回したことで孤立し、完全に敗北した」と指摘した。

 国民対策会議は集会終了後、青瓦台を訪ね▼米国との全面再協議▼流通中の米国産牛肉の回収▼警察暴力と公安弾圧、言論弾圧の中止▼警察庁長の罷免、拘束者の釈放▼対国民公開討論会の開催などの要求が含まれた書簡を手渡そうとしたが、青瓦台側(大統領府)は書簡の受け取りと面会要請を黙殺した。

強硬姿勢に反発

 抗議集会は6月10日の「100万人キャンドル大行進」をピークに下火の傾向にあったが、米国産牛肉の輸入再開が官報に告示された6月26日前後から再び激化。李明博政権はデモ隊の実力鎮圧を宣言、27日には警察隊の暴力鎮圧でデモ隊側から数百人の負傷者が出て、多数が連行された。警察当局は、先月末から「デモ主導者一掃作戦」を展開、デモ主催団体の事務所捜索や関係者の逮捕・指名手配などを次々に実行した。

 しかし李政権の強硬策は火に油を注ぐ結果となった。当局の弾圧に反発する宗教団体がデモに合流、先月30日から今月4日にかけ、数千人規模の非暴力集会を開催するなど抗議行動はさらに拡大した。

 李明博政権の支持率は20%前後で低迷しているが、依然としてデモへの対決姿勢を変えていない。

 一方で、7日に鄭雲天・農林水産食品相ら閣僚3人を交代させる内閣改造人事を発表するなど、米国産牛肉輸入問題の混乱収拾にやっきだ。

 また、青瓦台は同日、「国民統合担当」と「言論文化担当」の大統領特別補佐官を新設した。

 「政策広報担当」補佐官を新設した先月下旬の人事に続き、「世論対策強化に向けた改革」をアピールしているが、野党はいっせいに小幅改造を批判している。(相)

[朝鮮新報 2008.7.11]