南朝鮮・米国産牛肉反対運動、警察 平和デモを鎮圧 |
68人を連行、負傷者続出 李明博政権による、狂牛病の危険性がある米国産牛肉輸入措置に対する市民らの抗議の動きが、広場でのキャンドル集会から街頭デモにまで発展している。24日夜、ソウル市内でのキャンドル集会に続いて行われたデモを皮切りに、市民らによる抗議行動は急速な広がりを見せている。一方、警察当局はデモを実力で鎮圧、参加者を連行するなど強硬対応に出た。当局の弾圧に対する怒りの声が高まる中、米国産牛肉輸入反対運動はさらに拡大する見通しだ。 暴力で鎮圧
24日夜、ソウル清渓広場で開かれたキャンドル集会には、子供から老人まで各階層の市民2万5千人が集まった。 集会終了後、集会参加者ら数千人が街頭に飛び出し、デモを行った。 翌日午前1時過ぎまで1千人を超す市民らが「李明博弾劾」「牛肉輸入協議無効」「青瓦台に行こう」などのスローガンを叫びながら警察側と対峙した。 両者による小競り合いが続く中、警察当局は4時過ぎ、市内の道路で徹夜篭城中だったデモ隊300余人に向けて放水、参加者らを強制解散させ36人を連行した。また、警察の暴力的な鎮圧によって参加者側に大勢の負傷者が出た。 キャンドル集会を主催する「米国産牛肉の全面輸入に反対する国民対策会議」は25日に緊急声明を発表、デモを弾圧した当局の対応を激しく非難した。 同会議は「24日の街頭デモはこの間、政府が見せてきた欺瞞的な姿勢に対する国民の怒りが爆発したもの」だと指摘、世論を黙殺する李明博大統領の態度に憤慨した市民によって自然発生的にデモが始まったとの見方を示した。 また、「市民による自発的で平和的なデモを不法行為と断定して参加者を連行するなら、政府に対する怒りはますます高まる」とし、警察当局に対して連行した市民を即時釈放し暴力的な鎮圧に対して責任を負うことを求めた。 怒りの声高まる 24日以降も街頭デモは連日のように続いている。デモを弾圧しようとする警察側と参加者側との衝突もエスカレートしている。 翌25〜26日にかけて行われたキャンドル集会と街頭デモは、前日に市民36人が強制連行されたニュースをインターネットなどを通じて見た人びとが大勢合流したことで、参加者はさらにふくれ上がった。 集会の雰囲気も一変した。以前までの文化祭形式の集会とは打って変わって、この日は歌や踊りもなく緊張感が漂った。またこの日には、武装した警察が警告放送もなく暴力鎮圧を強行したため、デモ隊から負傷者が続出した。 警察当局がデモに対し暴力鎮圧で臨んだことで、各界から非難の声が上がっている。26日午後、「国民対策会議」に参加している政党、市民社会団体のメンバーら30余人が記者会見を行い、警察によるデモ弾圧を激しく非難した。 各団体の代表らは、「何の警告もなく、完全武装した警察隊が女子学生に盾を振り下ろし気絶させ、これを止めようとした男性市民をめちゃくちゃに殴打した」「警棒で殴り、倒れた人間を足で踏みつけた」などと、鎮圧当時の様子を明らかにした。また、「李明博政権が過去の独裁政権の前轍を踏めば、独裁政権と同じ運命をたどることになる」「87年6月抗争が再び起きないと言い切れるのか」と語気を強めた。 26日現在、「国民対策会議」が把握した連行者の数は68人。警察の暴力によって負傷した市民も数多い。そのうちの一部は病院へ運び込まれ治療を受けている。 [朝鮮新報 2008.5.28] |