〈今月の金正日総書記−11月−〉 飛躍する朝鮮の縮図、平安北道 |
8月8日以来、約3カ月ぶりの経済視察が伝えられた。金正日総書記は、平安北道の楽元機械連合企業所、新義州化粧品工場の石けん職場を訪れ、それぞれの実情を了解し「大きな満足の意」を示した。
6、7月に続く視察
24日発朝鮮中央通信によると、楽元機械連合企業所で総書記は、大型造機職場、板金職場をはじめとする生産ラインを見て回り技術改造状況と生産実態を了解し、新たに製造した機械製品を見学した。 とりわけ、油圧技術を高い段階へと引き上げる技術的進歩を遂げたことについて「大きな満足の意」を表し、朝鮮の機械工業が「新たな飛躍の段階」に入ったと述べた。 そのうえで、今後さらに酸素分離機など各種機械を多く製造してその質を画期的に高めなければならないと指摘しながら、工場に提起される課題を示した。 新義州化粧品工場の石けん職場では、新設された生産ラインを見て回り技術設備状態と生産状況を具体的に了解し、軍人と人民に供給する化粧品は最高の質を保つべきであると述べ、そのための課題と方途を明示した。 総書記の楽元機械連合企業所に対する現地指導は2000年以降、今回を除き6度(00年1月、03年10月、04年5月、05年1月、05年12月、07年6月)報じられている。新義州化粧品工場も、01年1月と12月に現地指導している。同工場、企業所に大きな関心が払われていることがうかがえる。 今回の現地指導を通じ、国内屈指の機械生産基地である楽元機械連合企業所が「今年の課題を10月末までに遂行」したことが確認された。 また、化粧品の先駆的工場である新義州化粧品工場でも生産が「正常化」され「最高の水準を保った製品が量産」されていることが明らかになった。 今年元旦の共同社説が示した、人民生活を高い段階へと引き上げる「2012年構想」の実現へ本格始動していることがわかる。 一方、両工場が位置する平安北道に対する総書記の関心の高さにも注目すべきだろう。総書記は今年6、7月にも同道を訪れている。 同道は朝鮮西海岸の主要穀倉地帯であり、大渓島干潟地など自然開拓事業も盛んに繰り広げられている。 また、大寧江の流れをせきとめて建設した泰川青年発電所(1〜5号)は、国内の電力生産で大きな比重を占めている。重工業をはじめ軽工業、農・畜産業も着実に成果を上げている。 近年、目覚しい発展を遂げている平安北道は「飛躍する朝鮮の縮図」(労働新聞10月7日付政論)と指摘されている。 「先軍領導の手段」 5日発朝鮮中央通信によると、功勲国家合唱団をはじめ各中央芸術団体芸能人の公演を鑑賞した。 公演には、功勲国家合唱団と銀河水(クラシック声楽を専門とする女性ボーカリストグループ)、万寿台芸術団、ピパダ歌劇団、国立民族芸術団の芸能人らが出演。総書記は、新たに創作された管弦楽と合唱「雪がふる(勧戚 鎧鍵陥)」、女声4重唱と混声合唱「繁栄あれ祖国よ(腰慎馬虞 繕厩戚食)」、女声3重唱「降仙の夕焼け(悪識税 葛聖)」に対して、「チュチェ音楽の発展において画期的な意義を持つ先軍時代の特出した記念碑的傑作」だと評価した。 最近、朝鮮の音楽界では新たな試みが行われている。往年の名曲を現代的にアレンジすることだ。 「繁栄あれ祖国よ」は62年に、「雪がふる」は65年に、「降仙の夕焼け」は74年にそれぞれ創作された曲で人々に愛されてきた。 政治と音楽を密接に関連付けた「音楽政治」は、総書記特有の政治方式として知られている。 総書記は芸術について「先軍革命領導の偉力ある手段」だと述べている。さらに、芸術が「時代的使命」を果たすとき、先軍領導が「不敗の偉力を発揮」すると、芸術の役割をとくに重視している。 15日発朝鮮中央通信によると、朝鮮人民軍第32回軍務者芸術祭典に参加した軍人の公演を鑑賞した総書記は、軍人の間で文化・芸術活動を行うことは「部隊の戦闘力を高める重要な活動の一つ」であると述べ、中隊をはじめすべての単位で芸術活動をいっそう強化するうえでの課題を示した。 「朝鮮式のスポーツ」 1日発朝鮮中央通信によると、第11回人民体育大会の閉幕に際して、朝鮮人民軍「万景峰」チーム対「つばめ」チームのサッカーの試合を観戦した。 試合は、3−1で「万景峰」チームが勝利し、「レベルの高いりっぱな試合」だったと同通信は報じた。 総書記は試合内容に「満足の意」を表し、「朝鮮式のスポーツ技術と戦術体系、朝鮮式の訓練方法を完成し、スポーツ技術のレベルをより高い段階へ引き上げなければならない」と述べ、国のスポーツを画期的に発展させるうえで指針となる「綱領的な課題」を示した。 総書記は先月も、大学生のサッカーの試合を観戦(10月4日発朝鮮中央通信)し、大学の教育とスポーツの発展において指針となる綱領的な課題を示している。(呉陽希記者) [朝鮮新報 2008.12.12] |