落花生に込めた祖国愛 協同農場で実を結んだ 千葉県青商会の「実践」 |
【平壌発=李相英記者】7月に開催された「ウリ民族フォーラム2008」の企画の一環として千葉県青商会が今年5月、黄海南道新川郡の白石協同農場に植えた落花生が収穫の秋を迎えて大きな実をつけた。「新世代が今、何を実践できるのか」。フォーラムで提起する問いの答えを求めて、彼らは祖国を訪れた。朝鮮の大地で実を結んだ落花生には、千葉県青商会の熱い想いが込められている。 祖国での交流
千葉県青商会では今回のフォーラムを開催するにあたって、「実践型」のイベントを目指した。「豊かで力強い同胞社会と新しいステージ創り」に向けて、民族教育支援や祖国に対する貢献などさまざまな「実践」の形を提示することに重点を置いた。 祖国のためにできることは何か―まずは、未来に向かって進む祖国の元気な姿を同胞たちに伝え、祖国についてより多くを知り関係を深めることから始めよう−そのような想いから「ウリナラ企画」が立ち上がった。 企画実行のためにフォーラム実行委員らで構成された千葉県青商会代表団が3月〜5月に祖国を2度訪問。平壌市内の各所や開城、板門店などを訪れ、さまざまな活動を行った。 千葉朝鮮初中級学校の姉妹校である臥山中学校では両校生徒の手紙を交換し、教育用の機材を寄贈した。北京五輪出場選手や1992年に千葉で行われた世界卓球選手権に出場した選手らに対するインタビュー、北京五輪聖火リレーに出場した同青商会の姜尚賢会長の応援など活動は多岐にわたった。 5月3日、白石協同農場を訪れた千葉県青商会代表団一行は、同農場に千葉県の特産物である落花生(「ナカテユタカ」「千葉半立」「郷の香」の3品種)やトウモロコシ、大根、玉ねぎなどの種を贈った。代表団のメンバーらは持参した種を自らの手で試験農場にまいた。また、一緒に汗を流した農場員らと食事の席をともにするなど交流を深めた。 一行はこれらの活動の様子を逐一ビデオカメラに収め、編集した映像をフォーラム当日に放映した。彼らがテーマとした「実践」の一端を示す映像は、従来にはなかった新たな試みとして注目を集めた。 収穫の日を迎え 播種から約5カ月後の10月下旬、白石協同農場で栽培された落花生が収穫の日を迎えた。秋空の下、試験農場で育った落花生は農場員の手によって一つ一つ丁寧に掘り出された。同農場の試験農場で研究士として働くチョン・ドリョルさんは、収穫した落花生の出来具合を確かめながら、「初めて植えた品種だったがよく育ってくれた」と満足そうな表情を浮かべた。 収穫された落花生は油を搾ったり、食用として加工するなど、いろいろな形で利用されるという。 農場関係者によると、千葉県青商会が持参した種子の中には作柄のいい品種もあった。総合的な分析、検討の結果次第では今後、農場に導入される可能性もあるという。 落花生はその名が示すとおり、成長過程で咲いた黄色い花の子房が受粉後、土の中に入り結実する。 千葉県青商会のメンバーらは、「若い世代が落花生の花のように大衆の中に入り、豊かな同胞社会という実をつけよう」と、自らの活動を地元の特産物にたとえる。今回のフォーラムでも、イメージキャラクターに起用するなど、落花生に込めた彼らの想いは強い。 祖国の大地で育まれた落花生に、祖国とともに歩む在日同胞の姿が重なる。 「決して量は多くないが、彼らの祖国を想う気持ちが実を結んだ。これからも祖国に寄与する活動を続けていってほしい」 収穫後、チョンさんは千葉県青商会メンバーらと一緒に種をまいた当時を振り返りながら、「総連と在日同胞の未来を担う彼らの活動が大きな成果を収めることを願っている」と話した。 [朝鮮新報 2008.11.19] |