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朝ロ、羅津−ハッサン鉄道着工 大規模協力事業の第1段階

 【羅先発=李相英記者】2001年の朝ロ・モスクワ宣言に沿った両国の鉄道部門協力事業の第1段階措置として準備されてきた、羅津−ハッサン鉄道および羅津港改修事業が着工した。着工式が4日、朝ロ国境地帯に位置する羅先市豆満江駅地区朝ロ親善閣前で行われた(写真)。

ユーラシア国際輸送ルート

 着工式には朝鮮側から全吉洙鉄道相、弓錫雄外務次官、金哲鉄道省次官、李明山貿易省次官、キム・スヨル羅先市人民委員会委員長をはじめ関係者が参加した。

 ロシア側からはウラジミール・ヤクーニン総社長を団長とするロシア鉄道株式会社代表団と、セルゲイ・ダリキン沿海地方行政長官、アレクセイ・ボロダフキン外務次官、ワレリ・スヒニン駐朝ロシア大使が参加した。また駐朝諸外国の外交部代表らも参加した。

 着工式は朝ロ双方の国歌奏楽で始まり、両国代表が演説した。

 全吉洙鉄道相は朝ロ外交関係設定60周年を控え、羅津−ハッサン鉄道および羅津港改修着工式が行われたことはとくに重要な意義を持つと強調した。

 01年に両国首脳が署名した朝ロ・モスクワ宣言によってその礎が築かれた羅津−ハッサン間鉄道改修計画は、「両国の共同の発展と利益に全面的に適した、双務的な大規模協力実現の第1段階」になると指摘した。

 そして、この区間鉄道は「両国の経済と交通運輸に寄与する親善の陸上輸送ルートとして、ひいてはアジアとヨーロッパ間の国際輸送を円満に保障する国際輸送ルートとして発展する確固たる展望を持っている」と述べた。

 ロシア側を代表して演説したヤクーニン総社長は、今回の改修事業は朝ロ首脳会談によって始まり双方鉄道幹部の積極的な協力によって実を結ぶようになったと指摘した。一方、この事業はモデル事業にすぎず、今後、朝鮮半島縦断鉄道など、より大きな事業にも明るい展望が開かれるだろうと強調した。

 続いて、羅津−ハッサン区間初の混合線鉄道敷設作業が行われた。これによって幅の違う車輪を持つ双方の車両が通過できるようになる。双方の技術者たちが、従来のレールをロシア側のレール敷設車から降ろした新しいレールと取り替えた。そしてこの区間の鉄道連結に必要な工具を、全吉洙鉄道相とヤクーニン総社長がロシア側の技術者たちに手渡した。

 次に、着工式記念標識碑が除幕された。

 着工式終了後、朝鮮政府の主催で行事参加者のための宴会が催された。

本格的な推進段階へ

 この日の着工式を契機に、モスクワ宣言で示された朝ロ間の協力事業は本格的な推進段階に入る。

 同事業は、鉄道部門をはじめとする朝ロ間の協力範囲を超えて、朝鮮半島とロシア、ヨーロッパを連結する鉄道輸送ルート創設、羅先地区の活性化などに大きく寄与するものとして注目されている。

 羅津−ハッサン区間鉄道の改修距離は54キロメートル。今後、年間400万トンの輸送能力と年間10万個のコンテナ輸送能力を持つ見通しだ。

 一方、羅津港の改修事業は3段階に分けて推進される予定だ。第1段階は、老朽化した既存設備の撤去とコンテナクレーンをはじめとする新しい設備の搬入、埠頭施設の建設、ドックの拡張などが主要事業内容。完工予定は、2010年10月末だ。

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[朝鮮新報 2008.10.8]