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朝鮮外務省スポークスマン 「核施設無能力化を中断、復旧も考慮」

 朝鮮外務省は26日、スポークスマン声明を発表し、米国が約束された期日内に朝鮮を「テロ支援国」リストから削除しなかったのは合意に対する明白な違反だとしながら、その対応措置として▼核施設無能力化作業を即時中断し、▼寧辺核施設の原状復旧措置を考慮すると強調した。全文は次のとおり。

 米国が6者会談の10.3合意の履行を拒否したことにより、朝鮮半島核問題解決に重大な難関が生じた。

 朝鮮半島非核化に関する9.19共同声明履行の第2段階の行動措置を規定した10.3合意には、われわれが核申告書を提出し、米国がわが国を「テロ支援国」リストから削除する義務が含まれている。

 われわれは、さる6月26日に核申告書を提出したことにより自らの義務を履行した。

 ところが、米国はわれわれの核申告書に対する検証議定書が合意されていないという「理由」で、約束された期日内にわれわれを「テロ支援国」リストから削除しなかった。

 これは、合意に対する明白な違反である。

 6者や朝米間のいかなる合意にも、われわれの核申告書に対する検証問題をリスト削除の条件として規定した条項はない。

 検証について言えば、それは9.19共同声明に従って全朝鮮半島を非核化する最終段階になって6者みながともに受けるべき義務である。

 南朝鮮とその周辺に米国の核兵器がなく、新たに搬入されたり通過したこともないことを確認する検証が、われわれの義務履行に対する検証と同時に行われるべきであるというのが、まさに「行動対行動」の原則である。

 現段階では、6者の枠組みに検証機構と監視機関を設けることにしたのが合意事項の全部である。

 しかし、米国はこの合意事項を悪用して突然、核申告書に対する検証に「国際的基準」を適用すべきであるという問題を持ち出して、わが国のどこでも意のままに探ってサンプルを採取し測定するような査察を受け入れるよう強迫した。

 米国の言う「国際的基準」とはすなわち、1990年代に国際原子力機関(IAEA)が持ち出してわが国の自主権を侵害しようとし、結果的にわれわれの核拡散防止条約(NPT)脱退を招いた「特別査察」である。

 米国がわが国に対してもイラクでのように意のままに家宅捜索ができると考えるなら、それは大きな誤算である。

 米国がわれわれに対してだけ一方的に査察するというのは、9.19共同声明に伴う米国の核脅威除去を骨子とする全朝鮮半島非核化は放棄し、互いに銃口を突きつけている交戦一方であるわれわれだけ武装解除させようとする強盗的な要求である。

 われわれが朝鮮半島を非核化しようとするのは、わが民族に加えられている核の脅威を取り除くためであって、決してわれわれの核抑止力をもって駆け引きしようということではない。

 6者会談が今のように大国が小国をむやみに翻弄する場に転落すれば、そのような6者構図が果たして誰に必要であろうか。

 米国が今回、わが国が「テロ支援国」でないということを内外に公式に宣言しておきながら検証問題を理由にリスト削除を延期したのは、そのリストなるものが実際はテロと関連したリストではないことを自認したことになる。

 われわれは、「米国に従順ではない国」のリストにそのまま残しておいても構わない。

 現在、米国はわが国の自主権を重大に侵害しようとしている。

 米国が合意事項を破った条件下で、われわれはやむを得ず「行動対行動」の原則に従って対応措置を講じざるをえなくなった。

 第1に、10.3合意に従って進行中にあるわれわれの核施設無能力化作業を即時中断することにした。

 この措置は、さる14日に効力が発生し、すでに関係国に通知された。

 第2に、わが当該機関の強い要請に応じて寧辺核施設を直ちに原状どおり復旧する措置を考慮することになるだろう。(朝鮮通信)

[朝鮮新報 2008.8.27]