〈今月の金正日総書記−7月−〉 「江界精神」発揮に期待 |
軍部隊視察4回、経済視察11カ所など、精力的な活動が伝えられた。金日成主席の逝去14周年に際し、錦繍山記念宮殿を訪れ金日成主席に敬意を表したことも伝えられた。 「深い感慨」
3日発朝鮮中央通信によると、総書記は慈江道江界市の各部門を現地で指導した。 今回訪れたのは、江界郵便局革命史跡地、慈江道山林科学研究所と慈江道工業林事業所の実験育苗場、江界食料工場、江界銀河被服工場、江界鶏もつスープ店など。 そのほか、和坪郡の五佳山自然保護区、和坪軍民発電所(2日発朝鮮中央通信)も視察した。 朝鮮中央通信の報道によると、慈江道への指導を通じて活力に満ちて出勤する市民の喜びにあふれた姿を見た総書記は、「深い感慨」を禁じえず、90年代後半の「苦難の行軍」と呼ばれる国内を襲った経済試練の日々を追憶したという。 当時、「苦難の行軍」を切り開く突破口としてクローズアップされたのが、慈江道江界市で誕生した「江界精神」だ。山が多く食糧問題など条件はよくないが、自力で中小規模水力発電所を建設し電力問題を解決するなど、難局打開へ向けた経済再建事業をリードした。1998年1月に同地の経済単位を視察した総書記はこれらの成果を高く評価。国内は経済再建、難局打開のモデルケースを慈江道に求め、慈江道に続こうと沸きあがった。 今年は「江界精神」誕生から10周年。1月にも総書記は、江界市を訪れている。「2012年構想」が打ち出され、「経済強国」建設に向けて国内メディアも再び「江界精神」を強調している。 総書記は今回の指導の際、「江界市の人びとが江界精神をさらに強く発揮して強盛大国建設を目指す総攻撃戦で先駆者としての役割をりっぱに果たし続けるものとの期待と確信を表明した」(3日発朝鮮中央通信)。 続く軍事的緊張 軍部隊への視察は4回伝えられた。 11日発朝鮮中央通信によると、朝鮮人民軍第280軍部隊を視察した総書記は、部隊が作戦指揮能力を向上させるための実のある訓練を行い、指揮官を現代戦におけるいかなる困難な戦闘任務も巧みに組織して指揮できる能力を備えた有能な戦士として準備させていることに「満足の意」を表し、部隊の戦闘力をいっそう強化するうえでの課題を提示した。 10〜12日、約9カ月ぶりに6者会談団長会談が開催されるなど、朝鮮半島の非核化にむけた6者会談合意履行のプロセスに進展の兆しが見えた。 しかし、その裏で米軍による朝鮮への軍事的威嚇による緊張状態は依然と続いている。 6月29日〜7月31日、ハワイ周辺海域で米海軍主管のリムパック合同軍事演習が実施された。 朝鮮はこのリムパック合同軍事演習について、「朝鮮に対する先制攻撃を狙った総合的な軍事作戦であり予備戦争」(労働新聞19日付論説)だと指摘。10カ国から41隻の艦船と150機以上の戦闘機が参加する合同軍事演習の兵力は2万余人にのぼり、規模は過去最大だという。 また、朝鮮人民軍板門店代表部の郭英勲大佐は10日、板門店で行われた朝米軍部大佐級会談で、米軍側が最近、板門店会議場区域で朝鮮側の警備員の任務遂行を妨害し、この地域の情勢を激化させる挑発行為を行っていることについて厳重に抗議した。 ロシア舞踊鑑賞 17日朝鮮中央通信によると、総書記は訪朝中のロシアのN・S・ナジェジュジナ国立アカデミー・ベリョースカ舞踊団の公演を鑑賞した。 同舞踊団は05年2月と8月、07年7月に訪朝し、平壌や元山、咸興などで巡回公演を行っており、訪朝のたびに総書記は公演を鑑賞している。 05年2月には同舞踊団一行と会見している。 公演プログラムには「金正日将軍の歌」をはじめ、朝鮮の革命歌劇「密林よ語れ」より「花咲く湖畔」、朝鮮歌謡「朝鮮の将軍」などの演目も含まれている。 ロシアの芸術団体の朝鮮公演は近年活発に行われており、ロシア連邦国防省中央軍楽団、ロシア・モイセーエフ国立アカデミー民俗舞踊団、M・E・ピャトニツキ国立アカデミー民俗合唱団などが訪れている。総書記は先月も、訪朝中のロシアのM・E・ピャトニツキ国立アカデミー民俗合唱団の公演を鑑賞した(6月24日発朝鮮中央通信)。(呉陽希記者) [朝鮮新報 2008.8.22] |