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北南関係破局に追いこむ李政権 祖平統が詳報発表

 朝鮮の祖国平和統一委員会(祖平統)書記局は3日、北南関係が凍結状態にあることに関して、要旨次のような詳報を発表した。

 歴史的な6.15共同宣言の旗じるしのもと、自主統一の一路に沿って力強く前進してきた北南関係は今、反統一勢力の大きな挑戦に直面している。

 南朝鮮の李明博一味は権力の座に就くなり、犯罪的な「実用主義」と「外部勢力優先論」を掲げて同族対決政策に執着し、北南関係を全面遮断して破局へ追いこんでいる。

 李明博一味の反統一的な策動によって、6.15共同宣言と10.4宣言がなし遂げた貴重な成果が踏みにじられ、宣言の履行に遮断棒が下ろされ、北南関係が凍てついている。

 当委員会書記局は、大勢の流れと民族の志向に逆行して北南合意を覆し、対話と協力事業を阻み、北南対決を悪らつに追求している李明博一味の反民族的、反統一的な犯罪行為を暴露、断罪するためにこの詳報を発表する。

【1】

 歴史的な6.15共同宣言と10.4宣言は、民族の和解と団結、統一・繁栄を遂げるための理念的基礎と根本原則、実現方途を明示した北南関係発展の礎であり、祖国統一の綱領的旗じるしである。

 これらの歴史的な宣言によって北南関係と祖国統一偉業の遂行では一大転換の局面が開かれ、自主統一、平和・繁栄の新しい時代が開かれるようになった。

 にもかかわらず、李明博政権は、歴史的な6.15共同宣言と10.4宣言に対して「抽象的」「原論的」などと途方もなく誹謗、中傷したあげく、全面再検討をうんぬんし、「新政権が(宣言を)履行する義務はない」とし、それを白紙に戻した。

 李明博一味はとくに、6.15共同宣言と10.4宣言の真髄である「わが民族同士」の理念を冒とくし、全面否定した。

 6.15共同宣言と10.4宣言を否定し、「わが民族同士」の理念を拒否する李明博一味の正体は、対決的な「非核・開放・3000」なるものを「対北政策」として掲げたことでいっそう集中的に明らかになっている。

 周知のように、朝鮮半島の核問題は米国の核の脅威によって生じたもので、あくまでも朝米間で論議すべき問題であり、また現在その解決に向けた6者会談が行われている。

 李明博一味が真に核の脅威を案ずるなら、わが民族に核戦争の重大な危険を及ぼす米国の核を問題視し、排撃すべきである。

 6.15共同宣言と10.4宣言は北南首脳によってもたらされ、内外の全幅の支持と歓迎を受けた民族の統一憲章、統一綱領であり、その意義や、地位、重みからしても、他のどの合意とも比べられない。内容も、変化した情勢と時代の要請、民族の志向と利害関係をもっとも正確に反映した民族最高の実践的共同文書である。

 これには、以前に北と南が合意した原則的な問題と基本精神が全面的に集大成されている。

 にもかかわらず、歴史的な宣言をそれ以前の合意と混同して論議しようとすることには、宣言の意義を薄めてその履行を回避し、北南関係を他の方向へ誘導するところに根本目的がある。

 諸般の事実は、李明博一味が6.15自主統一時代の流れを阻む暗礁であり、北南関係をこんにちの破局的な事態へと追い込んだ張本人であることを明白に示している。

【2】

 北南対話と協力事業を拡大、発展させることは全同胞の一致した志向、要求であり、6.15共同宣言と10.4宣言を履行するための切実な課題である。

 6.15共同宣言発表以降、北南対話と協力事業はう余曲折を経ながらもたゆみなく行われてきたし、その過程で大きな成果が遂げられた。とくに、10.4宣言は6.15の旗印のもとに北南関係をより高い段階で拡大、発展させることのできる明るい展望を開いた。

 それに従って、北南間では昨年10月の首脳対面以来、李明博政権の発足までの間に10.4宣言の履行のための総理会談と副総理級の経済協力共同委員会会議をはじめ多くの対話と接触が行われ、分野別の協議機構が構成、運営されて数十件におよぶ協力事業が合意され、実践的な後続措置が講じられた。

 しかし、李明博政権が発足してこれらのすべての対話と協力事業にブレーキがかかった。

 李明博一味は2月25日、「大統領就任式」を機に「非核・開放・3000」を「対北政策」として正式に宣布し、北南関係を全面的に遮断した。

 とくに李明博一味は、当局間に合意された協力事業もことごとく拒絶した。

 10.4宣言とその履行のための北南合意には、北南道路および鉄道の改・補修問題が重要に扱われている。わが方は、これを成功裏に推し進めるために現地調査をはじめ南側が要求する問題を全て聞き入れた。

 しかし、李明博一味は「妥当性」をうんぬんしてこれをやみくもに遮断することにより、道路、鉄道の改・補修事業はもちろん、北南鉄道を利用して北京オリンピックに北南応援団を派遣する合意まで実現できなくした。

 「西海平和協力特別地帯」設置問題もやはり、南側の要請をわれわれが寛大に受け入れたものであり、わが方は軍事的に極めて重要な地帯を開放し、海州港地域への現地調査も許可し、これに関連する実務協議に積極的に臨んだ。

 しかし、李明博一味がわれわれの誠意ある努力を冒とくし、南朝鮮の企業が現地調査もできないよう妨害したことによって、結局、「西海平和協力特別地帯」推進委員会会議を昨年末に一回行っただけで幕を下ろした。

 人道主義協力事業は、李明博が口先では「無条件の人道主義協力」をうんぬんしながらも、実際には様々に不当な前提条件を掲げて反北「人権」騒動にいっそう執着することにより、雰囲気が極度に悪化し、離散家族・親せきの再会もできない状況に至っている。

【3】

 民族の和解と団結、朝鮮半島の平和は自主平和統一の必須の前提である。

 ところが、李明博一味はこの歴史的流れに挑戦して北南宣言と合意を踏みにじり対決と戦争策動に狂奔することで、北南関係を冷戦時代に逆戻りさせようとしている。

 李明博一味は、6.15支持勢力をはじめ連北統一を志向する団体と各階層を「左派」の帽子を被せて迫害し、彼らに対する大々的な粛清、弾圧策動に執着している。

 最近金剛山で開催された6.15共同宣言発表8周年記念民族統一大会では、各代表の演説文と共同文書までも問題視し、北を称賛したり宣伝する内容はすべて削除するよう圧力を加えた。あげくには南朝鮮人民が行うキャンドルデモという言葉さえ使用できないようにした。

 これは、彼らが口では「対話」について言うが、それは単に世論を欺くための術策であり、その実は同族対決意識に凝り固まっていることを示している。

 李明博政権になって北侵戦争演習もいっそうひんぱんに行われており、武力増強策動もいっそう進められている。

 北南関係を破局に追いやった李明博一味の反民族的、反統一的な犯罪行為は絶対に許されない。

 李明博一味は、大勢に逆行して反北対決政策に固執し続ければ、民族のより大きな糾弾を招き、自身の破滅が早まることを知るべきである。

[朝鮮新報 2008.7.23]