〈今月の金正日総書記−6月−〉 中国副主席一行と会見、6者会談進展へ協力 |
6者会談合意に基づく朝鮮半島情勢の進展が国際社会の関心を集めた6月。国内メディアが伝えた金正日総書記の活動は軍関係5回、経済視察4回など精力的なものだった。また、訪朝した中国の習近平副主席と会見し、6者会談の進展に向けて両国が協力し合っていくことなど、意見を交わした。 共通の認識に達する 習近平副主席一行が17日から19日の日程で訪朝した。総書記は18日、一行と会見した。 朝鮮中央通信によると、習副主席は席上、胡錦濤主席の口頭親書を伝え、自身が用意した贈物を贈った。 総書記はこれに謝意を表し、胡錦濤主席へのあいさつを伝えた後、習副主席と談話を交わした。 6者会談10.3合意履行のプロセスが進展の兆しを見せる中、習副主席の訪朝は内外の注目を集めた。
総書記が中国共産党ならびに中国政府高官と会見するのは3月1日、劉暁明・駐朝中国大使の招請により駐朝中国大使館を訪問して以来のこと。今年に入ってからは、1月30日に中国共産党中央委員会の王家瑞・対外連絡部長とも会見を行っている。 中国国営中央放送(CCTV)によると、会談では6者会談に関する問題も話し合われた。習副主席は「最近、6者会談が混乱を克服し再び進展の機会を迎えている」「中国は6者会談が早期に2段階措置の履行を終え、新たな段階へと進めるよう努力する」と述べた。 これに対して総書記は、6者会談は曲折はあったものの、多くの重要な協議を通じて共通認識を生んだ、中国はその過程で重要な役割を発揮し、朝鮮は引き続き中国と協力していくことを希望しているなどと、6者会談の議長国である中国とともに合意履行に向けて歩調を合わせていく意思を示したという。 また、来年の朝中修交60周年を「朝中友好の年」に定め両国間の親善、協力関係をさらに深めていくことについても話し合われた。 習副主席は、中国の次期指導者として注目を集めている人物。今年3月の第11期全国人民代表大会で副主席に就任後、初の外国訪問地として朝鮮を選んだ。 習副主席は19日、訪朝を終え平壌を発つにあたり総書記と最高人民会議常任委員会の金永南委員長、楊亨燮副委員長に感謝電を寄せた。 感謝電は訪問期間中、中朝関係と共通の関心事となるその他の問題について深く意見を交わしたことに言及し、「幅広い共通の認識に達した」と指摘した。また、今回の訪問で収めた成果を「満足に思う」と評価した。 科学技術発展強調 経済分野では、大同門映画館、玉流館、清流館(5日発)、平安北道の大溪島干拓地建設場と竜川郡新岩協同農場(13日発)、北中機械連合企業所(14日発)、9月製鉄総合企業所(15日発、以上朝鮮中央通信)などを視察した。 総書記は、北中機械連合企業所や9月製鉄総合企業所を視察した際、生産ラインの「現代化」「科学化」、先進技術の導入などについて強調。北中機械連合企業所では「人民経済の急速な発展は科学技術を切り離して考えられない」と指摘した。 近年、朝鮮では科学技術の発展を国の経済発展のための柱として重視している。国内メディアは、「科学技術が立ち遅れれば自ずと経済発展で後れをとることになり、そうなれば他国に頭を下げて物乞い外交をすることになるのはもちろんのこと、最終的には主体性と民族性を失い、帝国主義勢力に飲み込まれるようになる」(労働新聞30日付論説)と科学技術を発展させることの重要性について強調している。 今年の3紙共同社説は、金日成主席生誕100周年を迎える2012年まで、経済と人民生活を高い水準に押し上げ「強盛大国の大門を開く」という構想を打ち出した。 その初年度となる今年は建国60周年を迎えることもあり、経済分野での成果が期待されている。(呉陽希記者) [朝鮮新報 2008.7.11] |