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〈月間平壌レポート -08年4月-〉 太陽節を盛大に祝う

注目を集めた第1回全国祭典

 【平壌発=鄭尚丘記者】4月、平壌は金日成主席の生誕を祝う太陽節(15日)、朝鮮人民軍創建を祝う建軍節(25日)を迎え、祝賀ムード一色で華やいだ。また1日には全国各地でいっせいに入学式および始業式が行われ、賑わいを見せた。一方、同日の労働新聞は「北南関係を不信と対決の瀬戸際へ追い込んでいる」と李明博政権の対北政策を全面否定した。4月に入って南側の対決姿勢に対する非難の度合いを強めている。

市民の反発

太陽節を祝う装飾が施された平壌市内 [朝鮮中央通信=朝鮮通信]

 労働新聞は、「南朝鮮当局が反北対決で得るものは破滅だけである」と題した論評員論説を掲載し、李政権が掲げた「非核・開放・3000」を強く非難した。

 同紙は李政権が北南間の宣言と合意を踏みにじり、外部勢力に追従して対決の道に向かうのなら、「われわれも対応を変えざるをえなくなる」と警告。6.15共同宣言と10.4宣言に従って北南関係を発展させ、自主統一と平和・繁栄を遂げようとするのは北側の一貫した立場であり、今後も6.15統一時代のために努力していくと強調しながらも、「時代に逆行する一部の愚か者の挑戦は容赦なく粉砕する」と強調した。

 李政権の対北政策を非難する声はその後も高まった。4月中旬から李大統領が米国と日本を訪問したが、メディアの論調は変わらなかった。

 日本の対朝鮮「制裁」再延長措置に対する市民の反発も強かった。

 市民らは日常生活において日本の「独自の制裁」による支障を感じていない。これは「総連と在日同胞を苦しめるものであり、不当な人権蹂りんだ」というのが一般的な見方だ。

 「強制的に日本に連れていかれた人たちやその子孫が今なお弾圧を受けながら生きなければならないということは、到底許されない」と、取材した平壌市人民委員会養老院のハルモニ(おばあさん)らは口をそろえていた。市内の中学生までもが、「祖国への訪問をどうして妨げるのか。日本に駆けつけて一緒に抗議したい」と、批判の声をあげていた。

「われわれの祭典」

 北南、朝・日関係が緊張の度合いを増す情勢下でも、人びとは普段と変わらない生活を営んでいる。第1回太陽節記念全国芸術祭典(10〜19日)が盛大に行われるなど、今年の太陽節は例年よりもさらに華やかだった。

 祭典には全国各地から43団体、2640余人が参加した。専門家、一般の芸術愛好家が一堂に会して市内の12の会場で連日公演を行った。専門家は優雅で奥深い作品を、労働者である一般の参加者は素朴で生活感あふれる作品を舞台に上げた。

 このような規模と内容でプロとアマチュアがともに参加する祭典は今までになかった。同祭典は人民の慶事を自らの手で存分に祝う祭典として今後、外国人も参加する4月の春親善芸術祭典と交互に隔年で行われる。

 祭典には海外の同胞も多数駆けつけた。在日本朝鮮人芸術団など多くの海外同胞芸術団が祭典を盛り上げた。

 市民にとっては馴染み深い在日同胞の公演は今回も大盛況だった。「制裁」の障がいを乗り越えて駆けつけた同胞芸術家らに市民はエールを込めて温かい拍手を惜しみなく送った。同芸術団は祭典で銀賞を獲得。名実ともに市民に広く認知されていることがあらためて確認された。

 「観るも楽しい『われわれの祭典』になった。参加者の個々の絆はもとより全体の絆もまたいっそう深まったように思う」と組織委員会関係者は祭典を振りかえっていた。

[朝鮮新報 2008.4.30]