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〈月間平壌レポート -08年2月-〉 祝賀ムード一色に包まれる

経済復興に向けて奮起

 【平壌発=呉陽希記者】祝賀ムード一色に覆われた2月の平壌。さまざまな政治、スポーツ、芸術イベントが行われる一方で、国内メディアは建国60周年に向けてさらに精力的な活動を行うことを呼びかけた。

民俗風習を強調

2月16日の記念日を迎えた平壌の街並み [朝鮮中央通信=朝鮮通信]

 今年の2月はほぼ毎週祝日があったため、市内は常になごやかな雰囲気に包まれていた。

 朝鮮では数年前から民俗的な習慣や風習が強調され、1月1日の元旦よりも旧正月を盛大に祝っている。

 今年の旧正月は2月7日。7〜10日までの4日間が休みとなった。平壌市内には旧正月を祝う装飾が施された。金日成広場をはじめ、市内のいたるところで子どもたちが凧揚げやコマ回しなどの民俗遊戯に興じる姿が見られた。街はカラフルな民族衣装を着た人々の姿でにぎわった。

 旧正月の翌週には金正日総書記の生誕日(16日)を迎えた。

 国内ではこの日を「民族最大の慶事」として祝い、中央報告大会をはじめスポーツ、芸術などさまざまな分野でイベントや大会が催された。

 小正月(旧暦の正月15日)にあたる21日も祝日となった。この日、市内の飲食店には五穀飯やヤクパブ(もち米にハチミツや栗、なつめなどを混ぜて蒸したもの)、山菜料理などが特別メニューに加わり、夜は月見客でにぎわった。

建国60周年目標に

 新年3紙共同社説は、金日成主席の生誕100周年にあたる2012年に「強盛大国建設の大門を開く」との目標を掲げ、9月の建国60周年を今年最大の重要ポイントに定めた。

 労働新聞16日付社説は、「共和国創建60周年を迎える今年、強盛大国建設で歴史的転換を遂げる覚悟で立ち上がろう」と訴えた。

 現在、国内では一様に9月9日の記念日をそれぞれの成果をもって迎えようと奮起している。

 国内メディアが報道した金正日総書記の今年最初の現地指導対象である黄海北道の礼成江発電所建設場では、今年中に1号、2号発電所を完成させるための建設が急ピッチで進められている。1号を上半期中に、2号を年内に完成させるという。

 02年に着工した同発電所の当初の完工目標は、3年後の05年だった。江原道との境にある建設現場は、平壌市内からの電力供給が十分でなく、資材を運送する交通の便もよくないため、作業は人力に多くを頼っていた。

 総書記は06年12月に同地を指導。その後、建設に必要な設備を備えるよう国家的措置が講じられた。同発電所の施工主であるカンドン水力発電所建設連合企業所のリ・ラクキュ支配人(54)は、「総書記の経済強国建設構想の礎は電力問題」だと強調する。前回の指導から今回再び総書記が同地を訪れるまでの約1年で、着工から約5年間かけて行ったものと同等の作業量をこなし、早期操業の展望を開いた。

 同発電所は1号から6号まで建設される。1、2号発電所が完成すると黄海北道の基本的な電力問題は解決され、6号発電所まで完成したあかつきには「完全解決」するという。リ支配人は「現在、作業を手伝いに全国から人が駆けつけており、建設は昼夜なく進んでいる」と自信に満ちた表情で話した。

音楽キャンペーン

 22日発朝鮮中央通信は朝鮮文化省と朝鮮芸術交流協会の招請によるニューヨーク・フィルハーモニックの平壌訪問について公式発表した。

 最近、朝鮮では音楽に関するさまざまなキャンペーンが繰り広げられている。

 牡丹峰劇場で6日、旧正月に際したニューイヤーコンサートが行われた。「2008年新年慶祝音楽会」と題した公演では、国立交響楽団の演奏とともに普天堡「銀河水」という名の女性ボーカリストグループが登場した。クラシック声楽が専門の、艶やかなドレス姿の歌手たちに観客も「初めての光景」だと驚きを隠さなかった。また、英国の作曲家エドワード・エルガーの「威風堂々」をはじめとする外国曲も数曲演奏された。

 16日、東平壌大劇場で行われた「2.16慶祝国立交響楽団音楽会」は、同楽団の首席指揮者であるキム・ビョンファ指揮者による交響組曲「先軍長征の道」で幕をあけ、若手実力派キム・ホユン指揮者による管弦楽「青山里の野に豊年が来た」が取りを飾り、朝鮮交響楽の真髄を披露した。国立交響楽団はここ数年の間に「実力がさらに上がった」と市民の間でもっぱらの評判で、今回の公演を「これまででもっとも素晴らしい演奏」と評価する声もあった。

 一方、テレビでは朝鮮での交響楽の発展や「朝鮮式交響楽」に対する解説番組、一般的な音楽知識を紹介する番組などが相次いで放送されている。

 また、労働新聞11日付には「歴史ある交響楽団」と題し、ウィーン・フィル、ニューヨーク・フィル、ベルリン・フィルを紹介する記事が掲載された。

 金元均名称平壌音楽大学の朴正男教授(65)は、こうした一連の報道について「人々の音楽鑑賞レベルを高めるため意識的に行っているのではないか」との見方を示すとともに「最近、わが国は自らの姿を音楽を通じて世界に示そうと努力している」と語った。

[朝鮮新報 2008.2.27]