〈人民生活第1主義−1〉 国産インスタントラーメン生産再開 |
燃料問題解決で突破口開く 【平壌発=呉陽希記者】今年の新年3紙共同社説は、2012年に「強盛大国の大門を開く」という遠大な構想と目標を提示した。2008年、朝鮮が経済分野で掲げたスローガンは「人民生活第1主義」。人びとが生活の中で実感できる経済復興を目指すというものだ。現在、国内の工場、企業所では人びとのニーズと直接結びついた具体的な生産計画を立案し、その計画達成のために努力している。各地の生産現場における取り組みを4回にわたって紹介する。
今年から国産インスタントラーメンの生産が再開される見通しだ。 製品の生産を担うのは、平壌市万景台区域にある平壌小麦粉加工工場。国内最大の小麦粉製品加工工場である同工場は小麦粉職場、菓子職場、パン職場、麺職場、酵母職場などを備えている。 工場の今年の目標はずばり、「国産インスタントラーメンの復活」だ。 「国産のインスタントラーメンを見かけなくなって久しい」。同工場のロ・ウォンチョル技師長は残念そうに話す。1990年代までは国産インスタントラーメンが盛んに販売されていた。大部分が同工場の生産品だった。 ところがここ数年、製麺職場での生産活動が正常に行われなくなった。重油など燃料の不足によって設備の稼動がままならなかったためだ。インスタントラーメン生産は中断し、国内には中国など外国の製品が出回るようになった。 ロ技師長は「経済封鎖の中で生産を続けようとすれば、独自に問題を解決しなければならなかった」と当時を振り返る。生産正常化に向けて、「自国にある燃料」に活路を見出した。 工場では06年末から無煙炭を燃料とする「石炭焚きボイラー」の製作に着手。技術者たちは金策工業総合大学の研究士とともに研究に取り組んだ。同時に製麺職場の建物を新築し、止まっていた設備を正常稼動させるための補修作業も行った。 「生産の展望は明るい。設備を補修、現代化することで突破口が開かれた」 ロ技師長の表情は燃料問題を独自に解決したという自信に満ちていた。小麦粉をはじめインスタントラーメンの原料は、国から提供されるのが基本だが、工場では独自に原料の仕入れ先も確保した。 「現在、製品の信頼度と安定性において外国産より国産を求めるケースが増えている。人びとのニーズを満たすためには、うちの工場が奮発しなければいけない」 1月3日、工場では無煙炭ボイラーを稼動させてインスタントラーメンの試験生産を行った。この時に生産された製品は、市内の商店に陣列されるとたちまち完売したという。現在、2月末からの本格生産に向けて、最後の設備点検が行われている。 「うちの製品で外国産を全部追い出す」。従業員たちの士気は高い。 [朝鮮新報 2008.2.22] |