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そこが知りたいQ&A−08年3紙共同社説の特徴は?

「2012年強盛大国」の目標提示

 労働新聞、朝鮮人民軍、青年前衛の3紙は1日、「共和国創建60周年を迎える今年を祖国の歴史に刻まれる歴史的転換の年として輝かせよう」と題する恒例の共同社説を発表した。今年の共同社説の内容と特徴について見た。

 Q:今年をどう位置づけているのか。

 A:冒頭、「偉大な党の指導のもと前進してきたわれわれの強盛大国建設偉業は、新たな歴史的段階に入った」と強調しながら、今年は「わが祖国と革命の歴史に偉大な転換が遂げられる荘厳な闘争の年、民族史的な慶事の年」だと規定している。

 そして、共同社説のタイトルにもあるように、共和国創建(1948年9月9日)60周年を迎える今年を「歴史的転換の年」に輝かせることを呼びかけている。

 ちなみに昨年を振り返る項目では、政治・軍事、経済、文化、外交面での成果に触れながら、「わが党の先軍革命路線の偉大な生活力が力強く実証され、富強祖国建設で大きな前進が遂げられた誇らしい勝利の年」と総括している。

 Q:今年の特徴は。

 A:2008年だけでなく今後5年間、2012年までの目標を提示したことだ。2012年には金日成主席生誕100周年を迎える。共同社説は、「強力な政治的、軍事的威力に依拠して経済と人民生活を高い水準に引き上げることによって、2012年には必ず強盛大国の大門を開こうということがわが党の決心であり意志だ」と指摘している。

 その年の施政方針を示す共同社説が5年間の中期目標を掲げるのは異例と言える。

 国家の未来に対する自信と勝算が読み取れる。

 共同社説は結びの部分で、「われわれの前には強盛大国建設の勝利の日が待ち受けている。60年を経たわが国の歴史において、こんにちのように国の尊厳と国力が最高の境地に達し、わが軍隊と人民の胸に未来への信念と飛躍の熱情が熱く燃えさかったときはなかった」と指摘した。

 今年の共同社説は随所に「楽観」という言葉が登場する。ちょうど10年前の98年共同社説が「厳しいたたかい」という言葉を用いたのと比べると、違いは歴然だ。

 Q:今年の具体的な課題は何か。

 A:共同社説は、「数年内に、党が示した雄大な構想と目標を輝かしく実現するためには、今年から社会主義建設の各部門で新たな飛躍を遂げるべきだ」と呼びかけながら、▼政治思想的威力宣揚▼国防力強化▼経済強国建設などを課題としてあげた。

 とくに経済部門に大きな分量を割いている。「人民経済の主体性をたえず強めるとともに、最新科学技術に基づく現代化を積極的に実現し、自立的民族経済の優位性と生命力を全面的に強く発揮させる」という「現段階での基本方向」が示された。

 また、経済の主体性を堅持する原則に基づき対外経済関係も発展させ、経済強国建設を推進することを呼びかけている。朝鮮を取り巻く国際環境に変化の兆しがある中での「対外経済関係発展」の言及は注目される。

 国内では電力、石炭、金属工業および鉄道運輸部門などの「人民経済先行部門」と「基礎工業部門」の発展を強調している。

 共同社説は探鉱と採掘の重視、拡大と資源の合理的開発、利用についても言及した。

 経済発展のため、まずは国内の可能性を最大限に引き出すという方針は一貫している。

 Q:統一問題に関する言及は。

 A:昨年の北南首脳対面と10.4宣言の採択を統一運動を新たな次元に前進させるうえで「重要な出来事」であったと評価し、6.15統一時代の流れは誰も止められないと指摘した。

 南では昨年末の大統領選で次期大統領が決まったが、共同社説は、10.4宣言を「民族の自主的発展と統一を促す鼓舞的な旗じるしであり、6.15共同宣言を全面的に具現するための実践的綱領」と位置づけて、10.4宣言の履行を強く促した。また、「外部勢力に依存していてはいつまで経っても国の統一問題を解決することができない」「民族の和解と団結を妨げる親米、事大と反民族的売国行為を容認してはならない」と強調した。

 昨年の共同社説はハンナラ党非難が目についたが、今年は「北と南の政党、団体と各界各層は、主義・主張と党利・党略にとらわれることなく民族の大義を重んじて固く団結し、民族の統一念願を実現することにすべてを服従させるべきだ」と訴えた。

 対米関係について直接的な言及はなく、統一問題の中で「米国の対朝鮮敵視政策に終止符を打ち、停戦協定を平和協定に切り替え、南朝鮮での侵略的な合同軍事演習と武力増強策動を阻止し、米軍基地を撤廃すべきだ」と主張した。

 対日関係については言及自体がない。

 Q:強盛大国建設の展望は。

 A:初めて「強盛大国」という言葉が共同社説に登場したのは99年。「政治、軍事、経済すべての面で世界のトップレベルに達した強盛大国」と説いている。

 今年の共同社説は、「祖国の地に国力が強く、すべてが栄え、人民が何うらやむことなく裕福に暮らす社会主義強盛大国を建設することは、偉大な領袖(金日成主席)の生涯の大望であり、偉業であった」としながら、2012年までの目標達成を人民に呼びかけた。

 朝鮮は十分に実現可能と見ているようだ。共同社説は、「こんにちの驚異的な現実は、強盛大国建設の勝利の日が遠くないという大きな確信と楽観を与えている」と強調した。

 朝鮮では年頭から、2012年に向け各地での活発な活動と成果が伝えられている。(姜イルク記者)

[朝鮮新報 2008.1.9]