〈虫よもやま話-12-〉 贈り物 |
「ゴジラの大きな玩具が欲しいです!」 初級部4年生の頃。 クリスマス当日にオモニに百貨店で玩具を買ってもらった私には、その夜に二つ目のこの願いが叶うことはありませんでした。 25日がやってきますね。
アボジたちからは、「そんなの朝鮮民族には関係ない!」という声が、オモニたちからは「この日は、本当にクルシミマスよ!」という声が聞こえてきそうですが… 子供たちにとっては待ちに待った日です。この日だけは子供たちのわがままを受け止めてあげてくださいね。 今年最後の連載は、「プレゼントを贈る」です。 昆虫類には大変ユニークな生活を送る昆虫たちがいますが、その中でも「プロポーズの際にプレゼントを贈る」昆虫たちがいます。 最も有名なものに、ガガンボモドキという昆虫がいますが、普段あまりお目にかかることのできない昆虫です。「大きな蚊(これをガガンボと呼びます)」に似ていますが、ハエの仲間であるガガンボは翅が2枚、しかし、この昆虫は翅が4枚あり、大変類似した形態を具えているために、「〜モドキ」という名前がついたのでしょう。 オスがメスに交尾を申し込む際に、あらかじめ捕らえておいた獲物をプレゼントとしてメスに渡します。しかし、メスはそのプレゼントの「質の高さ」=「オスの質の良さ」と見定めて、気に入らない場合には受けとらずそのオスを拒否します。(男性の皆さん!昆虫界では基本的にオスはメスの尻にしかれているのです…え?昆虫界だけじゃない?笑) カマキリやクモの仲間などでもこのような現象が見られますが、こちらは下手をするとオスがメスに食べられてしまうのですから、なんとも切ない話ですね。 私が連載をさせていただいて早1年が過ぎました。 当初は1年間のお話だったのですが、多くの方のご声援によりもう一年、連載を続けさせていただくことになりました。その知らせを受けた時にはあまりにも大きなプレゼントを頂いたように思え、つい目頭が熱くなりました。 サンタさんにはなれませんが、一つでも多くの「贈り物」ができる筆者となれるようがんばりたいと思います。 「贈り物」、もらうよりも本当は、贈る方が楽しいのかもしれませんね。(韓昌道、愛媛大学大学院博士課程) [朝鮮新報 2008.12.19] |