〈虫よもやま話-11-〉 採集記−ウリナラ編− |
「そこのトンム、一体何をしてるんだ!」 6月19日。 昼に新潟を出発した私は、いつの間にやら平壌に到着していました。 そしてホテルに到着するやいなや、荷解きもそこそこに、ホテル内外ですぐに採集開始!
ホテルの従業員からしてみると、こんなにも怪しい客人は初めてだったのでしょう。会う人にことごとくこのように注意されました。 初日から私は平壌ホテルの「お尋ね者」と化したのです。いえいえ、行く先々でそうなりました。暇さえあれば採集をしていたので仕方ありませんね。この時を5年も待ち焦がれていたのですから。 祖国で本格的に採集を行ったのは今回が初めてです。というよりも、祖国で虫採りを謳歌したのは私が初めてではないでしょうか?(笑) 平壌市内の山々を中心に妙香山では10日間の採集を行いました。 この期間は私の研究人生において素晴らしい経験になったと実感しています。心温まるエピソードや爆笑エピソードはたくさんありますが、残念ながらその一つ一つをここで紹介することはできません(ぜひ、今後投稿したいと思います!)。 ただこの場をお借りして言いたいのは、「祖国はやはり祖国」だということです。 同じ虫を見てもより愛しく思えるのは何故でしょうか? (韓昌道、愛媛大学大学院博士課程) [朝鮮新報 2008.11.14] |