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日本の国会議員が京都第1初級を訪問

「民族教育は基本的人権」

授業を参観する山下議員たち

 「外国人学校及び外国人子弟の教育を支援する議員の会」幹事長の山下栄一参院議員(公明党)が9月22日、京都朝鮮第1初級学校を訪問した。

 角替豊・京都府議会議員、大道義知・京都市議会議員(いずれも公明党)とともに同校を訪れた山下議員は、高炳棋校長の案内で運動会の練習をする園児の様子や各学年の授業を参観し教育環境を見て回った。初級部の児童たちはカヤグム演奏と朝鮮舞踊を披露し、議員を歓迎。一緒に記念写真も撮った。

 その後、山下議員は学校関係者と懇談した。席上、高校長は62年の伝統を持つ同校の沿革について説明。母校である同校に子どもを通わせている母親は、「異国であるからこそ朝鮮人としての自覚をしっかりと持たせたいと思って、朝鮮学校に送っている。しかし、教育費の負担がとても大きいうえに、保護者たちは教育環境を整えるために必死に物品販売やフリーマーケットで学校運営を支援している。日本政府は一日も早く朝鮮学校の処遇を改善し、せめて私立学校並みの助成金を出してくれるよう、法整備など、国レベルの対策を講じてほしい。私たちの民族教育に対する熱い思いを理解してほしい」と訴えた。

 京都府民族教育対策委員会の柴松枝事務局長は、京都の民族教育の実情と付与すべき権利、改善されるべき問題点について説明した。山下議員は、「世界中どこにいても自国の言葉による民族教育を受ける権利は、すべての人間に保障された基本的人権のひとつであり、子どもの権利条約など各種の世界人権条約も、学習権の保障はすべての者に認められた権利であるとしている。しかし現実には、在日外国人子弟を取り巻く教育環境は劣悪であり、真の意味で教育の国際化が進んでいない。そうした中で、長い歴史と伝統を持つ朝鮮学校の現実を知り、皆さんの意見を聞きたくて訪問した。国庫による教育助成がまったくない現状で、せめて税制上の差別だけでも至急、改善されるべきだと思う。国籍によって、民族によって、教育を受ける権利が差別されてはならない」と語り、在日外国人子弟の教育権を守るために努力する考えを示した。

[朝鮮新報 2008.10.14]