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〈虫よもやま話-7-〉 王者を捕らえる

 「ギャー! そんなものは早く捨てなさい!」−初級部の頃の夏休み。家の裏で猫の白骨化した死骸を見つけた私は、「サーベルタイガーの子どもの化石や!!」と思い、弁当箱にその骨を詰め、夏休みの工作ができたと自慢したのです。

 いくら田舎育ちのオモニでも、これには心臓が飛び出るほど驚いたようです。

 …そんな思い出の多い夏休みの到来!

朝大周辺で採れたカブトムシ

 大人たちの腕の見せ所!

 自分の子どもや孫に、夏の王者−カブトムシ&クワガタムシをプレゼントした時、それは子どもとの関係がいっそう深まる瞬間です。子どもたちはその瞬間を、きっと、一生忘れないでしょう。

 朝大周辺で、3日間で126匹のカブトムシを捕まえたことのある私が、自身の経験に基づいて採集アドバイスをしたいと思います。

 まず大切なのは木です。カブト&クワガタの大好物は、クヌギやコナラの木から出る樹液です。私が採集中によく言うのは、「鼻を使って採る」です。採集中は、樹液が放つ発酵した「ツーンとした酸っぱい臭い」に注意して歩いてください。慣れてくると、樹液の放つ臭いにカブト&クワガタが引き寄せられて飛んでくる羽音まで聞こるようになります。

 カブト&クワガタは夜行性です。採集時間は午後9時〜午前2時頃までが最適かと思われます。早朝に採れるときもありますが、ごくわずかです。

 また、あらかじめ採集場へ出かけて下見をし、バナナにお酒(アボジの飲み残した日本酒や焼酎を使えばOK)をかけて発酵させたものを、パンスト(オモニの使い古しでOK)に入れて木に巻く仕掛けをすると効率良く採集できます。それ以外では、周辺の外灯を見回ったりするのも効果的です。

 カブト&クワガタを採集できたら、大きな箱に腐葉土(乾燥しないように注意!)をたくさん入れて、餌も十分に与えてください。餌と言えばまずスイカが浮かぶと思いますが、実は水分だけで栄養素に乏しく、下痢になる可能性があります。バナナや市販の昆虫ゼリーを与えるのがよいでしょう。

 もちろん採るだけでなく、最後まで飼育し、図鑑も開き、標本も作り、この機会に「彼ら」について学んでみてください。この過程こそ、最高の思い出であり、素晴らしい「コンブ(工夫=勉強)」ですね。(韓昌道、愛媛大学大学院博士課程)

[朝鮮新報 2008.7.25]