四国初中と久礼小の交流会、1泊2日のホームステイ |
出会い、ふれあい、手を取り合い 愛媛県松山市の四国朝鮮初中級学校初級部高学年生と高知県高岡郡の中土佐町立久礼小学校5年生との交流会が6月26、27日の両日、久礼小で行われた。2000学年度から始まり、今年で9回目を迎えた交流会では、歌や踊り、遊び、ホームステイなどを通じ、互いの親ぼくを深めた。 互いの文化
初日、四国初中の生徒らは、松山から220キロ離れた久礼小に向かった。 車で約3時間、車内では交流会を待ちわびていたかのように、児童らは終始ウキウキした様子だった。 到着した一行を同小の5年生が温かく歓迎し、生徒らは、少し緊張した面持ちながら自己紹介をした。対面式を終え、1、2組の各班で給食を食べた。 午後には体育館で歓迎集会が開かれ、同小の全校生と中土佐町立久礼保育所の園児らが、合唱「手のひらを太陽に」で迎えた。 保護者らも参席した会では、まず、5年生全員が「花笠音頭」を踊り、園児らは、日本語と朝鮮語を交えた歌を合唱した。 四国初中の児童らは、男子児童による「サンモの舞」や歌とチャンゴ「名勝歌」、3人舞「パラの舞」を披露し、最後に校歌を合唱した。チマ・チョゴリなどに身をまとい歌い踊る姿は、とても好評だった。 つづけて、グループごとに校内を見学し、各教室や施設を見て回った。 この日の最後は、朝鮮と日本の遊び−「ひざ相撲」とドッジボールで盛り上がり、交流を深めた。 放課後、四国初中の児童らは、2人1組でホームステイ先の家に向かった。それぞれの家でゲームをしたり、サッカーをしたり、ハンバーグを一緒に作ったりと、めいっぱい一緒に遊び、食べ、布団に入った。 4年前から始まったホームステイ。当初は、互いの保護者から不安の声もあがったが、生徒らにとっては、良い経験になっているという。 今ではホームステイ先を募集すると、数以上に多くの家庭が応募するほど、久礼小の保護者たちは積極的に協力してくれている。 ずっと友だち
2日目、登校した児童らの顔からはすっかり緊張の色が消え、「先生!友だちたくさんできました!」「昨日は、たくさん遊んで、美味しいものをごちそうになり、枕投げまでしました!」などと笑顔で話していた。 朝の読書、ホームルームを終え、四国初中の金英雄校長のお話を聞いた。 金校長は、朝鮮学校や朝鮮の文化、風習について述べた。また、かつての朝・日間の友好の歴史、今日の朝鮮学校に対する差別の実態などについて平易に語りながら、互いの理解の大切さを強調した。 話を通じ、さまざまなことを学んだ生徒らは、ふるさと海岸を遊歩した。 海岸ではまず、カツオのタタキ作りを体験した。同町の鮮魚店の主人と一緒にカツオをさばき、藁焼きにした。自らの手で作ったタタキに児童らは、「おいしい!」「おかわりいただけますか?」と舌鼓を打った。 つづいて浜遊びを楽しみ、「大正町市場」を見物しながら、買い物をした。 学校に戻り、給食を食べた後は、いよいよお別れ会。児童らは、互いに2日間の感想を発表し合った。 久礼小のある児童は、「朝鮮のことを学んだ2日間。日朝の遊びを楽しんだことが心に残っている。いろいろ教えてくれてありがとう。お別れは淋しいけれど、いつまでも友だちでいよう」と述べた。 四国初中の鄭慶秀くん(初6)は、「2日間、歌や踊りも見れて、一緒に遊べて楽しかった。もうお別れだけど、僕たちのこと忘れないで。僕たちも一生忘れない」と感想を残した。 異文化にふれ、学び、多くの友だちを得た1泊2日の交流会。児童らは、これからも互いに交流を続けていくことを約束し、帰路についた。 これからも交流を
金校長は、「四国各県の同胞たち、日本の人たちにウリハッキョの存在を広めるとてもいい機会。児童らには、ここにも同胞がいるし、私たちと共に手を取って歩んでいこうという人たちがたくさんいるということを知ってもらいたい」と話した。 久礼小では、人権総合学習として3年生から各分野で学習を行っている。5年生は、多文化について学んでいるという。同小の岡田千恵校長は、6月に行われた四国初中の運動会を訪れた。「子どもたちは、出会い、ふれあいの中から、互いの大切さを肌で感じ取っていく。こういう感性を育てながら、民族は違っても、手を取り合えるということを体験させてあげたい」と語った。 高知に住む同胞の呼びかけで始まった交流会。文通でやりとりをする生徒もいるという。両校は、これからも10回、20回と交流を重ねていきたいという。(姜裕香記者) [朝鮮新報 2008.7.11] |