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長野初中 入学式と入園式 新たに生徒、園児が13人増える

地元青商会が奮起して活動 30代の力が実を結ぶ

 長野朝鮮初中級学校の入学式と入園式が5日、同校で行われ、中級部8人、初級部8人、幼稚班6人が上級生、教職員、同胞らの祝福をうけた。今学年度は2000年以来8年ぶりに生徒70人、園児14人となり、昨年に比べ13人増えてのスタートとなった。

青商会と「モア」

年長の園児から花束を受け取る新入園生ら

 今学年度、同校の生徒数が増えた主な要因は、30代が中心の長野県青商会が05年に掲げた3カ年計画が実った点にある。同計画は@実態のある青商会A活動する青商会B継承される青商会−という3つのテーマを掲げ、キャンプなど会員とその家族たちの交流を強めようとさまざまな行事を催した。

 同時に、会員の夫人たちも子育てクラブ「コッポンオリクラブ」を結成、クリスマス会などを開催して絆を深めた。その後、06年6月に「コッポンオリクラブ」の名称を改め、「モア」を立ち上げた。

 こうした活動の一方で、青商会と「モア」の会員たちは県下の会員以外の同胞たちにも関心を持ってもらおうとそれぞれが主催する行事への参加を呼びかけ奔走した。その過程で、朝鮮学校の存在、歴史、教育内容などについて説明し、学校見学などを熱心に働きかけた。

 誘いに応じて学校参観に誘われた人のなかには、生徒たちのはきはきとした姿や朝鮮語であいさつをする光景に非常に感動した若い同胞女性もいたという。こうした地道な活動が、子どもを日本の学校に入学させようと考えていた同胞たちの心を動かした。

入学式では初級部1年生がひとりずつ名前を呼ばれた

 「モア」発起人のひとりである韓セスン副会長(33)は「青商会とは持ちつ持たれつの関係」であると語る。「青商会の集いに『モア』の会員が参加し、『モア』の集いに青商会会員が参加するという密な間柄。とにかく30代の力を感じる。会員同士のつながりを通じて、子どもを長野初中に入学させた親が多い」。

 申賢麗会長(33)は、「若いオモニ同士の仲が良くなるよう努めてきた。なにをするにも『つながり』が人の気持ちを動かす」と強調した。

 「モア」と常日頃から連携を持っている長野初中オモニ会の呉貞錫会長(38)と権英姫副会長(41)は、「県下の同胞女性は、『モア』の雰囲気の良さに太鼓判を押している」と語った。

「民族意識養って」

 今回、青商会、「モア」のつながりのなかで、3人の生徒が長野初中に編入した。

 佐久市の丁晃基くん(中1)は、3月まで日本の小学校に通っていたが、中学進学にあわせて中級部に編入した。

 丁くんが日本の学校に通ったのは「通学の足」の問題からだった。上田市から長野初中まで通学バスが出ていたが、そこまでが家からは遠かった。

 長野初中、愛知中高の12年間を寄宿舎で過ごした父親の丁龍大さん(42)は「初級部1年生からの寄宿舎生活はやはり心配だった。今回、朝鮮学校に編入したからには朝鮮人としての気持ち、民族意識をしっかりと養ってもらいたい」と語った。

 大町市から編入、通学することになった徐晃聖くん(中1)、徐安珠さん(初5)兄妹。アボジの徐成虎さん(45)とオモニの李弘美さん(38)はそろって入学式に参加した。

 徐さんは「在日同胞として、自信をもって生きていくことができるようにいつかは朝鮮学校に通わせようと思っていた。友だちをたくさん作ってもらいたい」と、緊張気味の子どもたちを温かく見守っていた。

年間通じた活動を

 入学式の日、長野県青商会の河舜昊会長(39)は、ひとしお感慨深い面持ちで新入生らの姿を追っていた。

 河会長は、3カ年計画を実行するなかで、長野初中の「生徒受け入れ」活動も自然と会員の間で重要な課題として認識されていったという。

 「10年、20年先を見据え、今年は青商会のなかに民族教育担当部署をもうけて、年間を通じた『生徒受け入れ』活動を展開していきたい」(河会長)(李東浩記者)

[朝鮮新報 2008.4.25]