不当な弾圧と人権侵害を直ちに中止せよ 総連東京都本部・朴昌吉委員長の談話 |
総連東京都本部の朴昌吉委員長は10月31日、朝鮮商工会館で記者会見し、日本当局の総連組織に対する政治弾圧を糾弾する談話を発表した。要旨は以下のとおり。 10月29日、警視庁公安部は「税理士法違反容疑」の口実で朝鮮総連東京都新宿支部、在日本朝鮮東京都新宿商工会、元新宿商工会副会長宅などを強制捜索した。 警察当局は当日早朝から20余人の捜索要員と100人を超える機動隊を動員し、大々的な捜索を午後5時半まで、じつに10時間にわたって強行した。
警察当局は用意周到に捜索令状を準備し、商工会のみならず事件とは何ら関係のない総連支部、女性同盟支部、青年同盟支部まで土足で踏みにじり、事件とは関係のない書類をはじめ、職員の私物にいたるまで手当たり次第に押収し、ダンボール25箱分をもちだした。 そればかりか、強制捜索と同時進行の形で多くの同胞商工会員に対する事情聴取と調書作成を強要した。 これは、朝鮮に対する制裁の一環として2006年から兵庫、北海道、京都などで繰り広げた強制捜索の延長線上にあるもので、われわれは、麻生政権下でより高圧的に、巧妙に強行された政治弾圧であり、在日同胞と商工人の人権と生活権を乱暴に踏みにじる不当な強制捜索を、民族的な怒りをもって断固糾弾するものである。 元副会長の「税理士法違反容疑」なるものについて言うならば、すでに1年半前に税務当局との間で解決済みの問題をいまさらのごとく持ち出して、それを無理やりに「税理士法違反」と結びつけて立件しようしたもので荒唐無稽の限りである。 本人も主張しているように、元副会長の行為は、同胞商工人の自主申告を公正にサポートしたものであって、本人の長きにわたる活動が評価されることはあっても、それが罪に問われるべき行為でないことは明白である。 新宿商工会のみならずすべての商工会組織の活動は、同胞商工人の歴史的経緯にかんがみ、その企業発展と生活の安定を支援し、日本の地域社会の発展にも貢献してきたものであり、私たち全同胞にとっても大きな誇りとなるものである。 新宿商工会は、50年以上もの間、地域に密着して根をおろし、法の遵守と地域社会の発展のために誠心誠意努力し、今日に至っている。 今回の強制捜索は、同商工会の業務を妨害し、その威信を傷つけるばかりか、私たち東京在住の全同胞の民族的尊厳と権利を踏みにじり、日本の地域社会にも不信と不安を助長させる許しがたい行為である。 また、日本当局による朝鮮総連と商工会に対する規制と弾圧は、10月11日になされた6者会談の「10.3合意」に従う「テロ支援国リスト」削除を契機とする朝米関係の改善、緊張の緩和と平和への流れに逆行するばかりか、過去の清算と在日朝鮮人の法的地位の改善をうたった平壌宣言に違反する行為で、朝・日関係の改善に大きな障害をもたらすものである。 私たちは、日本当局が朝鮮総連と商工会に対する不当な強制捜索を直ちに取り止め、押収物件を速やかに返還し、謝罪することを強く求めるものである。 また私たちは、日本当局が在日朝鮮人に対する不当な人権侵害と抑圧を直ちに中止し、在日同胞と商工人の企業権、生活権を保障することを強く求める。 [朝鮮新報 2008.11.4] |