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朝鮮学校への助成金増額獲得 愛知同胞ら要請、署名運動

県側、「研究する必要ある」と理解

県民生活部学事振興課私学振興室へ要請活動を行った校長、教育会、オモニ会代表(7月18日)

 愛知県下で「県の助成金増額と朝鮮学校生徒が居住している県下自治体全てから助成金を獲得する運動」が力強く展開されている。文科省に対し差別是正を要望するための署名運動もあわせて行われている。

 愛知県下5つの朝鮮学校校長、教育会、オモニ会代表23人が7月18日、愛知県県民生活部学事振興課私学振興室の近藤正人室長と会い「愛知朝鮮学園に対する2009年度私立学校経常費補助金の増額」を要請した。

 愛知朝鮮学園の文光喜理事長をはじめとする代表らは、同学園に対し@「私立専修学校」と同等の公的支援の実施、A私学と同等の「授業料軽減補助」、B「経常費補助」の増額実施を、また県下幼稚園と全朝鮮学校に「経常費補助」「耐震補強補助金」を支給するよう求めた。

 席上、任美奈さん(愛知朝鮮中高級学校オモニ会)は「子どもたちの安全を考えた地震対策を、日本の学校と同じように講じてほしい」と述べた。

 名古屋朝鮮初級学校の趙京煥校長は「愛知県が主催する外国籍愛知県民会議(2月16日)がわが校で開かれ、県庁、外国語教育の関係者も参加した。一同が、母国語で行われている民族教育の大切さを痛感していたように、また国際化の流れからしてもこれまで以上に朝鮮学校を支援すべきではないか」と語った。

市民らの激励を受けながら約1千人の署名を集めた(7月19日)

 これに対し近藤室長は、「在日コリアンの方が、どのような思いでアイデンティティーを守りながら民族教育を行ってきたのかよくわかった」と理解を示し、財政状況が厳しい中でも朝鮮学園に対する助成は毎年6%以上の伸び率を確保してきたと指摘。難しい環境ではあるが、多文化共生といった観点から補助ができないかなど、研究する必要があると対応した。

 要請を終えた代表たちは、県庁記者クラブで記者会見を開いた。

 一方翌19日、愛知朝鮮中高級学校の生徒、活動家、同胞ら150人が外国人学校への差別是正を求める街頭宣伝と署名運動を名古屋、金山駅で行った。

 参加者らは活動資金の申し出や、車から降りてきて署名する市民らの激励を受けながら約1000人の署名を集めた。市民らの温かい言葉に、生徒たちも感動していた。

 愛知県下ではこれまで各校の教職員、学父母、生徒たちが根気よく要請運動を繰り広げた結果、今年4月から新たに岡崎市が助成金の交付を認めるなど、6年前に比べ11市3町増え17市4町から助成金を受けている。同胞たちは、権利擁護運動の新たな前進だと手応えを感じながら、より広範な運動にしていくことを誓っている。【愛知朝鮮学園】

[朝鮮新報 2008.8.11]