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暴力の「国営化」

 「『暴力団』と『警察』の違いはどこにあると思う?」−とは、ある日本の友人から投げかけられた質問だ。彼いわく、暴力を「民営化」したものが「暴力団」で、「国営化」したものが「警察」なんだそうだ。言いえて妙なり、だ。

 10月29日、警視庁公安部外事課は新宿朝鮮会館を包囲、外部と遮断したうえで、新宿商工会を強制捜索し、商工人らの税金申告書や納税書にはじまり、関係のない総連、女性同盟、朝青支部の事務室にまで押し入って会員名簿などを押収した。容疑は「税理士法違反」。そして11月27日、今度は朝鮮商工連合会、東京都商工会に対し無法にも強制捜索を同様に敢行した。

 しかし、弁護士らが指摘するように、政治的弾圧、人権侵害であることは明白だ。漆間内閣官房副長官の発言通り、無理やり「事件化」し敢行された常軌を逸した強制捜索であり、自作自演による暴力と言える。

 看過することはできない。「強制捜索を行うための強制捜索が繰り返されている」「在日は『人質』ではない」と要請活動、抗議集会はなお続いている。

 民事紛争に介入、暴力や集団の威力を背景に不当に金品を得ようとする行為一般を民事介入暴力という。近年では、右翼団体が政治家の意を受け業務妨害をする事も指すそうだ。企業の倒産整理、債権取立て等、民事取引に仮装し、一般市民の日常生活や経済取引に介入し、暴力を利用して不当な利益を得ようとする−公安警察の手法そのもの。とんでもないものを「国営化」したものだ。(丘)

[朝鮮新報 2008.12.1]