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11月15日 北南合作のアニメ映画「シムチョン」日本初一般公開

京都のコリアンサロン「めあり」設立5周年特別企画、国際交流、各地にこだまさせたい

北南合作アニメ映画「シムチョン(原題=王后沈清)」のポスター

 設立5周年を迎えた京都のコリアンサロン「めあり」が、特別企画として、史上初の北南合作アニメ映画「シムチョン(原題=王后沈清)」の一般公開を11月15〜28日、京都シネマ(京都市下京区)で開く。京都シネマが企画協力、京都市と京都市教育委員会が後援する。北南合作のアニメ映画「シムチョン」が日本の一般映画館で上映されるのは、初めてのことだ。

 「めあり」(朝鮮語で「こだま」の意)は、国際都市京都において、在日コリアンを含む市民が互いに尊重し、市民的権利、人権問題に対する相互理解を深め、協調し暮らす、世界に開かれた社会の実現に寄与しようと総連京都府本部、民団京都府本部、財団法人京都市国際交流協会が共同で03年5月に設立した。

 具体的には、@朝鮮半島の文化紹介A朝鮮半島と日本のかかわりの歴史について互いに理解を深めるB在日コリアンの歴史、現状、想いを理解することが国際交流を深めることの基本であるという共通の認識を育てることなどを目的としており、北南首脳会談の開催(00年6月)が大きな契機となった。

 これまで、設立3周年を記念して「世界遺産高句麗壁画展」、朝鮮通信使来日400周年を記念した各種行事を催したほか、ハングル塾、コリアンフード講習会、史跡研修など活動の幅は多岐に渡る。

 これらの活動が評価され、今年京都市から京都自治記念賞の中の「未来の京都まちづくり推進感謝状」が送られた。

 今回、一般公開される朝鮮半島に伝わる民話「沈清伝」を原作としたアニメ映画「シムチョン」は、ハリウッドで1千編以上のアニメーションを手がけたネルソン・シン総監督(米国在住の韓国人)のもと、朝鮮4.26児童映画撮影所と韓国KOAAフィルム社が共同制作した作品で、ソウル国際アニメーション・フェスティバル「長編部門」でグランプリを受賞した。

一般公開に先立ち、特別上演鑑賞会が行われた(9月27日、京都市国際交流会館)

 一般公開に先立って特別上映鑑賞会が9月27日、京都市国際交流会館で開かれ、関係者の予想を上回る約250人の市民らが鑑賞し盛況だった。

 総連京都府本部の金学福委員長は、「めあり」のような存在は京都以外になく、多文化共生社会を構築していくうえでのモデルケースであると強調。統一を願う在日コリアンの熱い思い、多文化共生社会実現に向けた高い志が、広くこだまし続けていると述べた。

 また、北南合作のアニメ映画の存在は鉄道連結、文化や経済をはじめとするさまざまな分野での共同事業などに見られるように、北と南が力を合わせれば、素晴らしいものを作り出していけることの端的な例であると語った。

 鑑賞を終えた同胞たちは、「原作は知っているが、新しい映画として受け止めた。楽しみながら朝鮮語の勉強もできると思う」と感想を話した。原作を知らない日本の市民たちも、「動物が活躍する姿や海での冒険など家族で楽しめる作品。親子愛というテーマもしっかりしているので子どもを連れて見に行きたい」と語った。(鄭尚丘記者)

 日時=11月15日(土)〜28日(金)。※初日には、特別ゲストによるトークショーを予定。

 場所=京都シネマ(四条烏丸下がる西側COCON烏丸3F)。

 料金=前売り…一般800円、高校生以下・65歳以上のシニア・身障者・留学生500円、当日…一般1300円、高校生以下・65歳以上のシニア・身障者・留学生1000円。

 問い合わせ=総連京都府本部 TEL 075・313・6161、京都シネマ TEL 075・353・4723。

 配給=株式会社アジア映像センター TEL 03・5804・3456

[朝鮮新報 2008.10.27]