留学同「マダンMAX」 「民族」「祖国」を考える「場」 |
各地から260人が集う 既報のように、8月12〜14日に留学同の夏の恒例行事サマーセミナー「マダンMAX」が、兵庫県ハチ高原で行われた。3年ぶりに全国規模で行われ、260人の同胞学生と関係者らが参加。さまざまなイベントを通じ、朝鮮人としての自分について考えるきっかけの場となった。 多彩な行事で交流
初日目、青空の下で行われたオープニングに続き、参加者らは班別に分かれてバーベキューを楽しみながら自己紹介を行い、交流を深めた。その後、大学別サークル対抗のクイズ大会が行われた。 夜には、総連大阪・東大阪南支部の金政義委員長が「朝鮮人として生きること」をテーマに講演。留学同時代をはじめとした自身の体験なども交えながら、朝鮮の言葉や文字、歴史を学ぶ意味と統一へと向かう流れの中で、朝鮮人としてどのように生きるべきなのかについて熱く語った。 講演を聞いた留学同九州のある3年生は、「講演を通して、本名や母国語、歴史を学ぶことは民族のアイデンティティーを確立するうえで大切なものであるということを改めて知ることができた。また、私たちが当たり前のように本名を名乗り、朝鮮語を使うことができるのも、これまでたたかってきた朝鮮人の歴史があったからだということを認識することができた」と語った。
講演後に行われた班別の討論では、朝鮮人として生きるうえでのさまざまな疑問や悩みに始まり、同胞社会について、祖国統一について、これからの自分の生き方についてなどの議論が交わされた。 2日目には、関東の学生たちが準備した演劇「タイムトラベル」が上演された。劇は、日本の植民地時代から済州島4.3事件、統一のための朝鮮人民のたたかいの歴史を振り返りながら、最後に「統一時代を迎えた今、どのように生きるのか」と参加者たちに呼びかけた。 参加者らはその後、班別討論をはさんでバレーボールやフットサル、ドッジボールなどのスポーツを通じて交流をさらに深め、夜にはキャンプファイヤーも囲んだ。各地方本部でこの日のために準備してきた歌やサムルノリ、プンムルノリ、農楽などが披露され、最後は兵庫朝鮮歌舞団による公演で雰囲気は最高潮に達した。 「もっと知りたい」
初級部から高級部まで12年間民族教育を受けてきた学生から、大学に入って初めて民族的な場に出会った学生まで、さまざまな境遇の同胞学生たちが日本各地から集まり交流を深めた今回の「マダン」。出身も違えばそれぞれの経緯も違う学生たちが、同じ朝鮮人として民族、祖国と真剣に向き合った3日間だった。 参加者たちは、「『マダン』に参加して、これだけ多くの在日朝鮮人がいて、また朝鮮人として堂々と生きている姿を見て、いろいろなことを考えさせられた。在日朝鮮人の存在についてもっと知りたいという気持ちを強く持てるようになった」「本当にたくさんの同胞学生がこの場に集まったことにとても感動した。こんなにたくさんいるんだと思うと同時に、まだこの場に来ていない、あるいは来られなかったり来る機会すらなかったトンムたちが日本各地にたくさんいると思う。自分の民族的ルーツや歴史を知らないトンム、知る機会すらないトンムたちを留学同に誘いたい」と感想を述べた。 「マダン」実行委員会の洪滉仁副委員長(21、留学同京都)は、今までにない規模でのイベントだったので難しいこともたくさんあったが、貴重な場を提供できたことは自信にもつながったと述べながら、参加者らに「楽しかった」と言われ、本当にやってよかったと思ったと振り返った。 およそ9カ月におよぶ準備に全力を尽くし、留学同活動における大きな飛躍の契機となるであろう今回の「マダン」を成功させた各地の実行委員たちは、行事の成功を共に喜び、朝鮮創建60周年を多くの同胞たちと共に祝うため、9月21日に東京で行われる同胞大祝典に参加する予定だ。 朝鮮人である自分自身について、民族と祖国について真剣に議論し考えた今回の「マダン」。参加者たちはさまざまな思いと新たな決意を胸に帰路についた。【留学同中央】 [朝鮮新報 2008.9.1] |