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「見知らぬ土地」での声援

 インターハイ・ボクシング競技の取材は4年ぶり。新たな発見があった。

 大阪朝高の選手が金メダルを獲得するなど朝高生の活躍が光った2004年度インターハイでは、ボクシングの奥深さを思い知らされ魅力に引き込まれた。

 普段は頼りなく、試合が始まってもどこか自信がなさそうに見えた選手が、1ラウンドでどれだけ攻め込まれても、ラウンド間の監督の指示を受けると途端に手数が増え、面白いようにパンチをヒットさせた。人が変わったのかと驚かされたのを今も覚えている。

 大会までに積み上げた努力はもちろんのこと、監督の的確な指示が彼をリング上で「チャンピオン」に豹変させた。ただそれだけではなかった。同胞たちの温かい声援が選手を力強く後押しした。

 今大会には主催地埼玉の同胞たちが毎日、会場にかけつけ声援を送った。草加三郷分会の同胞らは、「選手たちに寂しい思いはさせない」と、少しずつお金を集め「イギョラ」と書かれたTシャツ100枚を作りスポーツドリンクとともに選手たちに贈り、歓迎食事会も開いた。

 監督たちは「本当にありがたい。知らない土地に来たのに同胞たちが応援してくれる、こうした貴重な体験が生徒たちをさらに成長させた」と語った。

 力強い声援を受けた選手たちは素晴らしい戦いを見せ、同胞たちに力を与えた。今回、メダルには届かなかったが、この悔しさをばねにいっそう練習に励むことを誓った。監督たちもまた素晴らしい選手を育て上げ、朝高の名を轟かせてくれることだろう。(鎬)

[朝鮮新報 2008.8.4]