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「心配」と「応援」

 平壌支局での取材活動を終えた。97泊98日の出張だった。常駐期間、農場、工場、炭鉱など人民経済の発展に不可欠な各分野を取材した。建設にセメントは不可欠だ。祥原セメント連合企業所は現在フル稼働で各地にセメントを供給している。労働者専用の食堂も新しく建設、「人民生活第一主義」「飛躍」といったキーワードが今一度思い返される。情熱的で明日の発展を信じる祖国の人々の肉声を聞く限り、ソース不明、興味本位の情報があまりにも稚拙に思える。

 取材の一環で凱旋門の上にも登った。まさに平壌を「空中散歩」。観光コースではないので通常こんな機会には恵まれない。ニューヨークフィルハーモニックの平壌公演を観覧し、聖火リレーの取材もした。聖火リレーの取材過程で「陣取り合戦」になり、ひじうちをもらったのも今となればよい経験だ。労働新聞に載るという貴重な経験も。正確には聖火到着の報道写真の隅に筆者が入り込んでしまった訳だが、現地スタッフはおおはしゃぎ。「同胞がまた新聞に載ったぞ」と。

 筆者は偶然だが、連日同胞の記事が紙面に掲載されているのは事実だ。紙面では日本の「制裁」に反対し戦う同胞たちを紹介、テレビでも放映された。新聞、テレビを見てある違和感が解けた。

 「ウリナラ大丈夫?」とよく同胞たちに聞かれる。「在日こそ大丈夫か?」と祖国の人々は言う。祖国の人々は「心配」ではなく同胞を「応援」している。違和感の原因はその差にあった。もう「心配」は必要ないと言う祖国の人々の声が聞こえてくるようだ。(丘)

[朝鮮新報 2008.6.23]